チケット当選したんだけど…
2019年の年末、
多くの人は、まさかコロナウイルスの猛威がここまで広がっているとは思いもしなかったでしょう。
気がつけば2020年から1年の延期、そしてギリギリまで開催判断がずれ込み、人数制限による再抽選や首都圏での無観客開催など数々の危機を乗り越え、私が当選していたマウンテンバイク男子決勝のチケット発券の権利は手元に残り続けました。
オリンピックのチケット抽選が行われた2019年の5月。
もう生きている間に日本で開催されるオリンピックをリアルに見ることができるのは最後だろうと、チケットサイトの登録をサーバーが空いている早朝から行いました。(夜は繋がりもしなかった…)
現地で見てみたい開会式やサッカー日本代表戦は、抽選確率もさることながらお値段も厳しい。で、自転車競技ならば、ということでロード男子決勝とマウンテンバイク男子決勝を各2枚申し込みました。自転車競技はチケット台がかなり安かったので…(マウンテンバイクで5000円だったかな)
するとマウンテンバイク決勝の権利が当たったんです。まあロードは沿道でも観戦できるので上出来と喜んでました。が、2020年のコロナ禍の発生…。
正直、感染が拡大している中での不要不急な県外への旅行。行くべきかキャンセルすべきか悩みました。でもここまで様々なハードルを通過して現地へ行ける権利が残り続けているという事実、これを私は「行け」と何かに言われていると感じ行くことにしたのです。
すでに会社を辞めていることで所属する組織などに逆らってとか迷惑をかけることもない立場ですし、移動における感染リスクについても、逆にオリンピック会場は厳重な対策をとっているでしょうから高くはないと私は判断しました。
前泊でオリンピック会場へ出発
ということで、前日から会場方面へ向かうことに。
自宅から琵琶湖線で米原へ。そこから◯十年ぶりに乗った新幹線「こだま」で三島駅に到着。
もちろん三島で降りるのも初めて。(案の定、新幹線はガラガラ…)
マウンテンバイク決勝のある伊豆MTBコースは日本サイクルスポーツセンター内にあります。サイクルスポーツセンターは、公共交通の場合は三島から伊豆箱根鉄道で「修善寺駅」、そこから路線バスで向かうのが通常のアクセス方法になります。
三島駅に着いたのがちょうどお昼時だったので、駅内の「沼津魚がし鮨 三島駅南口店」にて海鮮丼をいただきました。
三島駅からは伊豆箱根鉄道で30分ほどのローカル線の旅です。とっても旅情を誘うローカル感のある車体。JRの特急「伊豆の踊り子」号はこの路線に乗り入れているようですね。
修善寺駅に着くと、オリンピックのマスコット「ミライトワ」と「ソメイティ」がお出迎え。
ボランティアの案内係の方々がたくさんおられます。むしろ乗降客よりも多いくらい…。
本当は外国人の観戦客に配ろうと思って作られた地元の織物で作ったティッシュケースなどをいただきました。他にも熱中症予防のための保冷剤などがあちこちで配られ、気がついたら保冷剤ばかり5つ程もらっておりました。
宿泊先の「修善寺温泉」へレンタサイクルで
この日の宿泊先である修善寺温泉「茶処・温泉宿 水ぐち」までは約3km。主な交通手段は路線バスかタクシーのようです。
でもそこは自転車の聖地・日本サイクルスポーツセンターのお膝元、バイシクルフレンドリーな伊豆市だからきっとレンタサイクルがあるだろうと、駅前を探したらありました。
「izu velo(イズヴェロ)」っていうレンタサイクルで、伊豆市からの委託事業で展開されているサービスのようです。
今後私もレンタサイクル事業者なろうかというものなので、研究がてら利用してみることに。
基本的にレンタサイクルは全て電動アシスト車です。数台ヤマハのYPJというクロスバイクタイプのEバイクも用意されていますよ。
料金は1時間500円、4時間1000円と格安。これじゃあ民間事業者は太刀打ちできませんね。どの地域でもよくある話ですが…。
ということでブリヂストンのシティサイクルタイプ4時間1000円にしました。
簡単な書類の書き込みと、身分証明書の確認、料金を払ってスタートです。受付の方がなにやらセットして袋に入れたものを自転車にぶら下げて行きました。
聞いてみたところ、ガーミンの最小モデル「ガーミンエッジ25J」でした。市からの依頼で利用者の足跡をこのサイコンのGPSで記録しているとのこと。盗難防止の追跡装置か何かとおもったのですが、要するに利用状況の調査用だったみたいです。まさかガーミンがこんな使われ方しているとは…。
受付の方に付近のサイクリングマップと行き方を説明していただき、早速スタート!
チェックインまで時間もあるので、しばらく修善寺サイクリングです。
狩野川を越え、
4.5km先の「旭滝」まで来ました。
さすが伊豆だけあって、ここまでの道のりは多少のアップダウンはありますね。でも電動アシストだから全然大丈夫…ってほどではないかな。この車種の特性なのか、アシストの効き方がマイルドなので、基本的にママチャリで走っている感はすごくあります。アシスト無しよりは全然マシですが、坂の勾配によっては思ったほど楽ではないかも…。Eバイクはアシストの味付けがメーカー各社、各自転車で違いがあり、走る道との相性もあります。
おそらくママチャリEバイクは街中想定なので、サイクリングという様々な道路状況を走る場合はもうすこし高性能なドライブユニットを搭載している自転車の方がより快適だと思われます。まあそこは上はいくらでも上があるので、レンタサイクルにどこまで性能を求めるのかは事業者の判断が分かれるところですが。
ひとまず旭滝みて感動。思ったより立派な滝でした!
修善寺温泉
そこから川沿いを下り、修善寺ICの手前で左折すると「修善寺温泉」へ到着。
宿はここからさらにゆるい登り坂を進んだ1kmほど先にあります。
このくらいの距離の観光は自転車がいいですね。道や風景から地域の特性や匂いも感じることができます。大した距離ではないのに巡った感もあるのがいい。
修善寺の温泉街には朱塗の橋や、足湯などもあり温泉地らしい街並みが広がっていました。
街の中心には土地の名前になっている「福地山 修善寺」がありました。クラクラするくらい暑い日でしたが、境内の青紅葉がほっとさせてくれます。
しばし温泉街を自転車で散策。徒歩ならちょっと歩き回るのがしんどいと感じる場合もありますが、自転車は楽ですね。
修善寺はいわゆる昔ながらの温泉街のようです。いまだに昭和の匂いがする施設や店が残っています。私的ににはこの雰囲気は嫌いじゃないですが、時代に合わせて変化する温泉地もあるなか、少々取り残されている感は否めないですね。
川沿いが気持ち良かったので、そのままサイクリングを続けてみました。
修善寺温泉街を流れる桂川には5つの橋がかけられ、そのうちの4つが朱塗となっており修善寺温泉のシンボルとなっています。修善寺物語という明治に書かれた戯曲で、主人公の源頼家と桂の恋が描かれていることから「恋の橋めぐり」ということになり恋にご利益があるそうな。
おっさんには縁のない話なのでさらっと見ては立ち去ることとします。
ついでにちょっと距離を伸ばして修善寺の奥の院まで行ってみることに。こういった機動力こそ自転車ならでは。
修善寺滝下橋から奥の院まではおよそ5km。途中道端に奥の院までの距離を示す道標が「いろはにほへと…」と48本建てられています。
奥の院までは斜度は緩めなものの登り坂。アシストがあるので安心です。
登りきって奥の院に到着。
さすがに観光客どころか誰もいませんでした…。
頑張って登った分、帰りは下り道でスイスイ。知らない土地でのサイクリングって楽しいですね。でも普段着だし気張って走るようなものではないので、こういった観光地でのレンタサイクルを使ったサイクリングは、いかに気楽に巡ることができるかが重要ですね。
レンタサイクルの返却は修善寺のそばにある「修善寺プリン工房」に返します。マップを見てもいまいち返す場所がわかりにくいのが難点ですが、返却場所にかき氷のメニューがあるのは正直やられました。これはズルイ!汗かいて走ってきたところに冷たいデザートあったら食べてまうやん。
これも今後の参考にさせていただきます!
宿と夕食
ここからは徒歩。といっても300m程度。
今宵はこちらのお宿「茶処・温泉宿 水ぐち」さんに泊まります。
夕食なし朝食付きのプランですが、竹林の小径や桂橋といった修善寺の観光スポットにも近く、桂川にも面しているので立地は最高ですね。しかもお安い。
ただ夕方以降は観光客向けの食事どころは閉まってしまいます。他に食べるところもなさそうなので宿のご主人に付近のお店を教えていただきました。
水ぐちさんから500mほど川沿いを進んだところにある居酒屋「安兵衛」さん。地元の方が美味しいお店だというのだから間違い無いでしょう。
常連さん御用達感満載ですが勇気を持って入ります。だって他に本当になさそうだし…。
お店に入ると大将と若大将(大将の息子さんかな?)と女将さんの3人。まだ他のお客さんはいないようです。カウンターに通され、まずはビールを一杯。
で、ビールに合わせたのが、
牛タンの炙り。
シンプルながら若大将が目の前で丁寧に焼いてくれた厚みのあるタンは、レモンを絞るとなんぼでも食べられそう!ビールもぐいぐいと進みます。
つづいてご当地の地酒をスタンバイ。
これに合わすのは、活け鮎の刺身です。
琵琶湖のそばに住んでいながら、鮎の刺身は今まで食したことがありませんでした。
ちなみに琵琶湖の鮎は小鮎って言って、刺身にするほどの大きさにはならないのですけどね。
でも最近川魚の新鮮なやつはまったく生臭くないっていうことを知って、これは一度試してみたいと思いました。(みんなが普段食べるサーモンも刺身も淡水魚ですから)
出てきた鮎の刺身は、敷いてある氷と同化するくらい透き通っていて、別名「きゅうり魚」と呼ばれるように、ほんのり新鮮なキュウリの切り口の香り。食べてみるとヒラメの刺身のような弾力と、海の魚に全く負けてないほど旨味が感じられ絶品でした。
最後はこちらの名物「ずがにうどん」。
狩野川で取れたモズクガニをスープに使った濃厚なカニの出汁が効いたうどんです。味噌ベースだと思われますが、蟹味噌がふんだんに溶け込んで最高に美味い!
これだけ地元のお店で地元の美味しいものを食べられたら満足度低いわけがない。
気がついたらカウンターも常連さんだらけでした。納得です。
ということで、前半はオリンピックとはまったく関係ないただのグルメレポートでしたが、日本サイクルスポーツセンターにお越しの際は、是非修善寺散策してみてくださいな。
(念の為書いておきますが、静岡県ではこの時点ではアルコール提供の停止要請はありませんでした。またカウンターはアクリル板で仕切られ、この日は一人での食事です。かつ19時までに店を出ております。)
後半はいよいよオリンピック会場へ…(つづく)
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