応援される形

こんにちは、フナズシマルです。

先日とある女性達が立ち上げた会社のキックオフイベントに参加してきた。

当日は50名を超える参加者が集い、彼女達を応援する仲間の多さに私のような孤独な経営者は少々羨ましく感じた。やっぱ仲間と一緒に歩き出せるって良いね!

一方で、その会社が取り組む事業の中身についてはイマイチ私の頭ではピンと来なかったのも事実。任意団体やNPO法人ならわかるのだが、その会社は株式会社で、そうなるとどこかで売上だけでなく利益を出して運営を継続&成長させていく必要があると思っているが、そのキャッシュポイントがどこになるのかわからなかった。

ざっくりいうとある社会課題を解決するために様々な方法で活動していくといった感じ。課題は見えていて、それを解決したい、だから法人を作って活動する・・・その流れは見えた。でもその活動からどうやって売り上げを作って利益を出していくのか、そこがわからない。そもそも私がいままで思ってきた「なんだかんだ飯が食えないと会社は続けられない」というベースの部分の考えが違うのかもしれない。

会社を作るのは解決したい課題があるからであって、売上や利益は後回しでいい・・・。そこに至っていないのは私自身の未熟さ。そんなことを見せつけられているように感じた。

なぜあんなにも大勢の人があの場所に集まってきていたのか、それはやはり彼女達の課題解決への本気度に共感したからなのだろう。

いまはふんわりしている事業内容でも、そこに集まっている人たちの課題に対しての想いは互いに理解しあえており、何をしたらいいかわからないかもしれないけど、何かをしなきゃならないという想いは共通しているのかもしれない。そういったまだ言語化できてないけど解決に向けてチャレンジしたいという方向性がたくさんの「応援」を作り出しているのだろうか。

私自身の起業スタートは、まずは自分の思いや事業を明確に言語化することから始まった。そうやってサービスを具体化することで実行に移すことを繰り返しやってきた。そんな起業のアプローチとはまるで違う気がする。

とにかく集まってみよう。そこから何か生まれるかもしれない・・・。そんな感じの起業が今の時代らしいのかもしれない。

私の場合は「いつになったら家計入れるお金を増やしてくれるの?」を嫁にチクチク言われる日々・・・。今日明日の稼ぎ・・・とつい考えがち。事業者はいかに自分の時間をお金に変えるか、ボランティアなんてやってちゃダメなんてこともよく言われる。

みんなから応援されるような事業がしたい思うが、応援される事業のスタイルって・・・。

話は変わるが、キャッシュポイントを表からは見えないようにして、奥の方で課金するような方法がとられるビジネススタイルがある。

子供の将来に不安を感じるのはどこの親でもあると思う。その親の不安を解消するための無料セミナーなども結構あちこちで開催されていたりするので、先日嫁がそれに参加してきたそうだ。

そのセミナーを主催していたのは「一般社団法人親が死んだ後の子供の未来を考える会(仮名)」みたいな団体。

一見、子供の将来を案じる親の抱える問題という社会課題を解決するために、無料でセミナーや相談会をやってくれている。その場所に関して言えば売上は発生しないので主催者や出席している専門家はボランティアとなる。参加者は同じ課題を持つ仲間同士がビジネス抜きで集まることになるので、その一般社団法人の会員になったりして会の活動を応援するという流れになる。

でも嫁が参加したそのセミナーは最終的にある保険商品を勧めてきたそうだ。ということはセミナーという形で見込み客を集めてきておいて、そこに効果的に商品やサービスを投入する。すっかり講師や参加者と仲間となっていれば、少々怪しんだとしても購入に至る可能性が高くなる。

この場合はある意味わかりやすい事例だけど、そう言った感じに応援しやすい場面や場所を用意しておいて、コミュニティーとして完成させていきながら、そのメンバーに対してサービスを提供していくというビジネスの存在を改めて認識した。

その方法が何も悪どいとかいうことではない。実際それが多くの仲間を作りつつ、課題解決の原動力にもなり、会社としても継続しながら実際に社会を変えていくための最も有効な方法なのかもしれない。こういったビジネスモデルを描くというのは駆け出しの経営者には難しいことに感じる。

社会を変えていくために、一過性の商売に終わらせず、多くの人も巻き込みながら会社も成長させていくというスタイル。私は起業の意気込みをキラキラとしながら話す彼女達を横から眺めているだけだったが、またひとつちょっとだけ勉強できた。

応援される事業。社会課題を旗印として掲げて突き進む事業。自身の事業はどうあるべきか、また今日も悩んでばかりだ。