国内旅行業業務取扱管理者試験への挑戦!
こんにちは、フナズシマルです!
実はこのところブログ更新をサボって、10年ぶりくらいの試験勉強してました。
私、特に資格らしいものは持ってません。仕事に使えるかと思い、日本印刷技術協会が主催する「DTPエキスパート検定」と、日本服飾協会が主催する「色彩検定2級」というたいして役に立たない検定ものを受験して認定証は持ってましたが、やはりたいして私の人生には役に立つ場面が現れなかったので返上いたしました…。
これらは持ってないと仕事できないとか言うタイプのものではなく、なんとなくその辺りの知識を勉強した人ですよ、と協会が認定してくれる程度のものです。
とは言えもちろんそれなりに勉強しないと受からないものですけど…
ところで、今回久々に学生気分に戻って受けてみたのはなんと国家試験です!
その名も「国内旅行業務管理者試験」。
旅行業を開業するには必ずこの資格を持つ人が必要となる、無いといけないタイプの資格です。(さすが国家試験!)
で、なんでそんなの受けたのか?という理由を今回は説明いたします。
これから明らかにする私の考えるサイクルツアーガイドサービスのあり方に大きく関わってくる話です。
改めて自転車ガイドツアーの可能性を検証してみる
先日、こちらの記事でサイクルガイドツアーはビジネスとして成り立つのかを考察してみました。
私の結論としては今のままでは厳しいと感じています。
理由を簡単にまとめると…、
- そもそも一般的に自転車のツアーに対するニーズが少ないのではないか。
- 他のエンタメやアミューズメント、アクティビティ等と比べ、価値を訴求できてないために対価が希望したレベルで得られないのではないか。
と言うことがサイクリングツアーの課題であると私は分析してます。
結果、ガイドツアービジネスで飯を食うのは何らかの他の商売や補助金からの収入等が無いと厳しい…と思われるのです。
一方、現在は自転車に注目が集まっているとは思いますし、ビワイチのようなロングライドにチャレンジする人も実際に増えています。
しかし、彼らは自分で好きなようにサイクリングするので、有料のガイドツアーを求めるひとは基本的には多くはありません(私自身も実際そうなので…)。そのためサイクリスト達を中心としたサイクルツーリズムの盛り上がりほど、自転車ガイドツアーの需要は喚起はされてないのではないかと思われるのです。
結果、私は自転車のツアーガイドはサイクリストをターゲットにしてはいけない。というなんとも寂しい結論に至りました。ここまでガイドになることを目指してきたのにです…。
先の記事では、自転車ガイドツアーをするビジネスを行うならば、ニーズを持っているのは地域を紹介したい側(つまり自治体とか観光協会とか)にあるのだから、そこがお金を出すのがスジでしょ?という偉そうな提示をさせていただきました。
あくまでそれは自転車ガイドツアーというものの現状を踏まえた中で、ビジネスとしてくための現実的なターゲットはどこかという話を考えたつもりです。別に目新しい考えでも有りませんし、実際そうやって自治体などが自転車を活用して地域に人を集めようという動きは全国にあります。
とは言っても、ビジネスのターゲットはどうであれ、最終的に自転車のガイドツアーで地域を訪れる人が増えないことには始まりません。
「旅行」を考えてみる。キーワードは…「○○○」感
では、今度はそういった自転車のガイドツアーそのものの価値に気づいてもらうためにどうすれば良いのか?という視点で考えてみました。
サイクリストではない、一般的な「旅行者」に、自転車のツアーを選んでもらうには何が必要なのか?
まず、我々はどうしてもサイクリスト目線の話になりがちで、サイクリング自体が一般的な人からどう思われてるかをあまり気にしていないように思われます。
例えば一般的な人が同じ一万円で余暇を楽しもうと思ったとき、サイクリングツアーの他に選択肢が沢山あることを意識しないといけないということです。
人気アーティストのライブ、もしくは映画とか遊園地、また自転車ツアーと直接競合しそうなカテゴリでは、温泉旅行や、カヤックやスキューバダイビング等のインストラクター付きサービス等々。
果たして、一般的な方々にはどれが魅力的に写るのでしょうか?
もちろん、好みは人それぞれですし、自転車ガイドツアーにも魅力を感じる人もいるかもしれません。
ただ、これらの中からサイクリングというカテゴリーが選ばれ、かつガイド付きツアーに参加したいとなると…、かなりの旅マニアか余程その目的地に興味がある人くらいになりそうです。ましてや目的地がマニアックな地域だった場合は…。全く競合に勝てる気がしません。
何故なのでしょうか…
いろいろ考えてみて、私が気付いたとても大きなキーワードがあります。
それは「非日常感」です。その期待値の大小が付加価値に比例するということです。
他の行楽にはあるけど、自転車ツアーに無い(というかイメージしにくい)のが、「それによって私は非日常感を味わえるのか?」という部分の提示です。
旅の魅力を定義してみた。
ここで一度自転車から一歩離れ、旅行という側面から考えてみたいと思います。
旅行の魅力とは、(移動+目的地での経験=日常にない体験を得る機会) だと私は定義します。
※この場合、移動距離は問いませんが、できるだけ生活圏から離れないことには非日常感は生まれにくいということも推測できます。
旅行の「移動手段」の主なものとしては、まず飛行機、列車、船、バス、自家用車、…って感じでしょうか?
他のバリエーションとしては観光タクシーや人力車、ロープウェイなんかもあります。ヘリコプターやロケットはちょっと現実的ではないですが、お金持ちならそれもアリでしょうね。
で、自家用車以外の飛行機や列車といった移動手段は、日常的に乗らない(乗ってる人もいるでしょうけど…)か、自分で所有していつでも使える類のもの“ではない”という共通性があります。
そういうことからも、これらの移動手段は既に非日常性を持っていると考えられます。ですから乗った瞬間からレベルの多少はあれど旅の非日常がプラスされているのです。
ちなみに自家用車もどこかへ旅行に行くための手段としては良く利用されていますが、基本は日常の足なので乗ること自体に旅の魅力はありません。ただ生活圏を大きく離れることで、車窓からの景色には非日常が加わります。でもそれは自家用車そのものが生み出した非日常というより、ただ単に遠くに移動したことによる風景の変化にあると考えます。
この点について自家用車と自転車は似ています。そこにオートバイも入れてもいいかもしれません。
自分で運転する自家用の移動手段で普段よりも遠くに行く。サイクリスト達がロングライドをして楽しむのも、自家用車でドライブに行くのも自分で運転して遠くに行くことに魅力が発生しています。
そういった共通項のある自家用車と自転車において不思議に思うことがあります。自転車はガイドツアーを成り立たせたいと思う人がいる一方、何故自家用車でのガイドツアーはないのでしょうか? 自家用車でドライブに行くのに誰かが有料で先導してくれるなんてサービス…、そんなの聞いたことないですよね? 今時ちゃんとカーナビがどこへでも案内してくれますし。
これはなんとなくスピードや走る場所の違いにあるように思います。 自転車にはガイドに適したスピードで走れるから可能になるのだと思います。その意味では自転車のガイドツアーというのは、街歩きツアーなどの延長線上なのかもしれません。
もっとも街歩きツアー自体は人気があるようなので、同じ訴求の仕方や近い価格帯ならば自転車のガイドツアーも存在感は示せると思います。一見良さげなのですが、一方それは街歩きイベントやボランティアガイドツアーなどとの低価格帯に巻き込まれることとなってしまいます。
そうではなく、もうワンランク上の価格帯での競争に勝っていくためには、自家用車も自転車も自分で運転する日常の足であると言うところが旅行の非日常を味わうためのツールとしては大きな課題です。ちなみにそれらを使っての非日常の味わい方を知っている人は、ガイドなど必要とせず自ら運転して目的地まで行ってしまいます。
こうなってくるとガイドの価値はどこへ行ってしまうのか…絶望的になってきました。
さらにトドメの一撃を加えてみます。
自転車って、サイクリストのように長距離を走った経験の無い人からすれば、自転車は日常の乗り物であり、普段買い物に乗っていく距離以上を走るということは大きなハードルとしてネガティブ要因になってしまっていると思われます。
自転車で10kmってあり得ナーイ!
お尻が痛くなるんでしょ?
ってな感じの声が聞かれますよね。
こういったネガティブ要因を乗り越えた先に、ようやく自転車のガイドツアーは日の目を見ることになるのです。
自転車ツアーがその存在価値を世に広めるためには、
- 非日常感を演出するツアー全体の設計
- 自転車に乗ることのハードルを下げる配慮
の2つの対策が必要ではないかと考えます。
アクティビティとしてのガイドツアーは?
ひとつ自家用車との違いとして自転車(特にスポーツサイクルは)は、スポーツアクティビティの面を備えていることを留意しておく必要はあるかと思います。
まあ、言わばそこが自転車にガイドツアーが成り立つのではと思わせる部分なのだと思いますが…。(先ほどの街歩きツアーに近い部分も含め役割が整理できていない)
ガイドツアーを行う側はアクティビティとして提供したい、反面サイクリング自体は誰でもいつでもできるのでガイドを必要とする場面が少ない。さらにママチャリでもサイクリングはできるけど、アクティビティという認識にならない。
この分野でガイドの必要性が高いのは、私はマウンテンバイクなんじゃないかと思ってます。
MTBの場合は、コース自体道なき道なので初心者からすると案内がないと遊べない。変なとこへ勝手に行くと危険ですし、そうでなくても日本におけるマウンテンバイクは私有地に入ってしまう可能性も高いため、ちゃんとその辺りを誘導できる人が必要なのです。しかも自転車も専用のバイクでないと走ることすらできない。さらに、コースを走るには難易度に応じたテクニックが必要とされることになります。
私の中でのアクティビティの定義は、
限られた場所+専用の道具 で 難易度に応じて楽しむスポーツ である。
と認識しています。これらの条件が揃えばアクティビティとして事業が成り立つ可能性はあるのではないでしょうか?
マリンスポーツやトレッキング&登山、乗馬、パラグライダー等…全てこの要件を揃えてますよね。
マウンテンバイクはこれに当てはまるのですが、ロードバイクもレース系は当てはまるものの、ガイドツアーはどちらかというとアクティビティというよりも旅寄りなのではないかと思うのです。
だから、サイクリングツアーの付加価値を高め事業として成り立たせるためならば、やはり旅としての付加価値を上げる正攻法が答えではないかと思うようになりました。
旅行業という選択
で、ようやくこのタイトルの本題に入ります。(長々とスミマセン…)
この①と②の条件を踏まえ、自転車ツーリズムをビジネスとして成り立たせるには、
ちゃんとした旅行としてのパッケージングを提供出来るようになる。のが重要!
旅行の定義:移動(自転車)+目的地での経験(風景、食事、宿泊など)という形。
あくまでも自転車は移動手段。
自転車を旅の主役にしようとして考えるので難しくなるのではないでしょうか?もちろん自転車には飛行機や列車やバスとは違ったスピード、移動範囲によって移動中はそれらとは違った風景を見せてくれるという魅力がありますからそこはアピールしたい…。
でもそれはあくまでも移動時の話。旅の魅力においては、もう一つの要素である目的地での経験というのが旅行という商品の付加価値にとって非常に大きなウエイトを占めているのです。(というか、それって実は当たり前のような部分でしょ?)
どんな購買行動にせよ、商品購入の際にはその商品を買うことで自分がどうなれるのかをイメージできた時に財布の紐を緩めます。乗ってみれば自転車の良さはわかるとしても、ここのところをしっかりと購入前に提示できてないといけない。
そのために私は旅行業となって、自転車を使ったツアーを他の移動手段のツアーとも同レベルであり、かつ自転車ならではの魅力を加えた形(移動の道のりや目的地の組み合わせを自転車だからこその形にする)で提供すれば、もっと付加価値の高いツアーができると考えたのです。
以上がプロとしてのガイド経験もなく、経営者でもない私なりの考えです。
これからその答え合わせを、自身の人生の時間を使ってチャレンジしてみたいと考えております。
旅行業必須の資格、「国内旅行業務取扱管理者試験」とは?
というわけで思いを行動に移し、まずは「国内旅行業務取扱管理者試験」に取り組んだのです!
しかーし、本日答え合わせをしていたところ、どうやら合格点には届いてないらしい…( ; ; )
あかん、国家試験なめてました…。
時間配分も間違い、数字の問題にあせり、周りの20代前後の若い受験生達の早々とページをぺらぺらとめくる音に惑わされ、結果完全に本番の空気に飲み込まれた私は、今見るとなんでこんな答えを選ぶのか自分をシバきたくなるくらいにイージーミスを連発しておりました。
せっかくなので、この試験のことをちょっと解説しておきます。
試験名「国内旅行業務取扱管理者試験」と言います。
この資格をとると、国内旅行業務取扱管理者になれます。
旅行会社は基本的に一つの営業所内に一人の国内旅行業務取扱管理者を配置しないといけません。大手旅行会社は営業所の数だけ国内旅行業務取扱管理者を配置してはずです。
もし自分で旅行会社を作るのであれば、自らがこの試験に受かって管理者となるか、管理者を雇うことで営業が可能となります。
旅行業を開業するには、この国内旅行業務取扱管理者を自分もしくは誰か持っている人を雇い、かつ国や県に登録し、さらにその営業範囲に応じた供託金(営業補償金)を収める必要があります。
第1種は海外・国内となんでも扱えますが、その供託金は7,000万円スタート。無理、払えません…
第2種は取り扱えるのは国内が基本で供託金は1,100万円、これも厳しいわい。
ということで、第3種旅行業を狙っています。
第3種旅行業は基本的に国内旅行をメインとする旅行会社ですが、自社企画のパッケージツアー(募集型企画旅行)は自分の営業所の区域(営業所のある市町村とその隣接する市町村)内のみで完結するものだけが扱えるという制限があります。
ただしその分営業補償金は少なめの300万円です。とは言え大金ですがね…。
第3種でも、募集タイプのツアーではなく、依頼者のために作るオリジナルツアーなら海外も扱えますし、旅行代理店としても海外・国内両方の商品を販売することも可能です。
幸い私が営業所をおこうと思うのは現在の住所と同じく草津市。その場合は隣接する市町村は大津市・栗東市・守山市となります。北湖を含めたビワイチツアーを募集する企画旅行(宿泊有り)はできませんが、南湖一周の企画ツアーは可能です。
色々と構想はあるのです。
例えば、滋賀県内のオリジナルツアーの作成を依頼された時に、自転車を移動手段に使って移動代金を安く抑えつつ、健康面や環境面を訴求したSDGs対応ツアーなんてのも有りかなと考えていたりします。環境を訴求したツアーには琵琶湖はぴったりかと思うのですよね。
まあ、それも合格すれば…という話でしたが。そんな簡単には行きませんでした…。
次はまた来年、それまで国内旅行の勉強がてら、自転車で日本一周でもしてみるかな?
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