2日目スタート!
二日目、今日も快晴です。
ただ昨日と違うのは“風がない!”
初日は天気は良いものの爆風の中吹きっさらしの田んぼ道を走ったので、ただでさえ乾燥肌の顔がカッピカピになってしまいました。
北ビワコホテルグラツィエの朝食、長浜名物の「鯖そうめん」などもついてボリューム満点です。
チェックアウト時点には、フロントに自転車を用意して下さっていました。
2日目のルート
さて2日目のルートです。
長浜周辺の日本遺産は、竹生島、醒井宿、伊吹山エリアになるのですが、それとは別に行ってみたいところがありました。それは石田三成の出生地である石田という集落です。
そこから近江長岡へと抜けていき、伊吹せんろみちから伊吹山方面へ。そして北国脇往還で木之本へと抜けるというルート。今日も前半はびわ湖を見ないビワイチとなりそうです。
三成公への道
ホテルのある長浜港を出発し、三成公グリーンロードから石田会館を目指します。
澄んだ空気。遠くの伊吹山が顔を覗かせました。
雰囲気の良い街並みを眺めつつ走っていると、白壁にモリモリと溶岩状の石が高く盛り上がった不思議な場所を発見。
「ふじ石亭」という料亭のようです。名前から推察するに富士山の溶岩なのか?
Googleマップにも出てこないし、WEBにも情報があまりないいかにも高そうなお店。でも一見の価値ある迫力の光景ですね。
長浜市街地を抜けて三成公グリーンロードに入ると、建物がなくなり視界が大きく広がります。
目の前にはまだ頂上付近が雪に覆われた滋賀の最高峰・伊吹山が全容を現しました。改めてこうやってみると美しいですね。
このままひたすらまっすぐ行けば石田の集落へと続きます。
関ヶ原の合戦で西軍を率いた武将・石田三成の出生地がこの石田という集落。
三成の屋敷跡は現在は石田会館になっています。2021年3月時点はコロナ対策で閉館されていますが(4月時点も閉館中)、普段なら資料室に入ることができたのに…。
この石田集落の裏山が石田山公園となっており、姉川の合戦で織田信長が前線基地として使った横山城跡があります。公園の登り口から徒歩で30〜40分で城跡に行けるようです。この周辺は姉川の合戦の出城などが数多くあり、滋賀県の城跡の多さ(1300箇所)に影響を与えている地域です。
この山を越えたところに、「石田三成の水汲みの井戸」があります。
三成が秀吉に仕えた頃の武将感謝記に、「石田三成はある寺の童子也。秀吉一日放鷹に出て喉乾く。其の寺に至りて誰かある茶を点じて来れと所望せり。石田、大なる茶碗に七、八分ぬるくたてて持ちまいる。秀吉之を飲み舌を鳴らし、気味よし今一服とあれば、またたてて之を捧ぐ。前よりは少し熱くして茶碗半ばに足らず。秀吉は之を飲み、また誠に一服とある時、石田此の度は小茶碗に少し許りなるほど熱くたてて出る。秀吉之を飲む。その気はたらきに感じ住持に乞い、近侍に使う才あり。次第に取立て奉行職を授けられぬ」と記されている。絵本太閤記では、その寺を大原の観音寺としている。
…案内看板より引用
これが「三献の茶」と言われる有名な光秀と秀吉の出会いの一幕と言われているもの。井戸は観音護国寺の参道手前から50mほど左手に進んだところにありますよ。
伊吹山麓を旅する
ここから少し南へ下り近江長岡方面へ。なぜかというとせっかく米原エリアをルートに選んだのだから、米原で一押しの風景を紹介したいから。
それは三島池。
伊吹山の麓から3kmほどの場所にある700年前に作られた農業用水のための池ですが、伊吹山が水面に映り込む素晴らしい景色を楽しめる場所なのです。
冠雪した伊吹山と三島池のコラボをカメラに納めることができるのもこの時期くらいまでですね。伊吹山周辺は特に豪雪地帯なので以前はもっと雪が多かったのですが、温暖化のため年々この時期の白さが減っています。
近江長岡に米原在住の方から紹介いただいたお菓子があります。
明治43年創業の「じょうきや」さん「かりんとうまんじゅう」。これがなかなかの絶品。
外はカリッと、中の生地はふわっと。ありきたりな表現ではありますが、生地の厚みが良いのかカリ+フワのギャップが絶妙なのか、想像しているよりも食感が良かったですよ。あっさりしたこし餡ともマッチしています。補給食として数個買っていきました。
「伊吹せんろみち」は、伊吹山の石灰岩からセメントを生産していた大阪セメント伊吹山工場(2003年閉鎖)のセメント運搬専用線だった跡地を、自転車も走れる遊歩道として再整備されている道です。
平坦な全長約2.5kmの程よい距離の道からは、伊吹山を右手に見ながら季節の花々や昔の鉄道の名残などを楽しめます。
終点には「米原市伊吹薬草の里文化センター」などがあり薬草風呂などに入ることができます。まだ午前中なのでこんなとこでホッコリしている場合ではありませんが…。
米原の日本遺産ポイントは4箇所あります。そのうち醒井宿以外は「伊吹山文化資料館」にありました。伊吹山文化資料館は元々小学校だった建物を利用した施設で、北国脇往還の春照(すいじょう)宿にあります。ゆっくりと見てみたいところですが、それは改めて…。
北国脇往還を行く
北国脇往還を進んでいくと綺麗な水が勢いよく流れる水路が現れます。
その先に「小田(やないだ)分水」という分水施設があります。姉川の上流にある「出雲井」と呼ばれる1300年も昔に出雲人によって作られたとされる取水施設から流れてくる水を、3つの地域に均等に分配するためのものです。
透き通った水なので魚でもいないか眺めてるとおっちゃんが話しかけてくれました。
「ここ、5月くらいにもう一回来てみい! ニジマスが釣れるで」
に、ニジマス⁉︎
聞けば、上流で放流されたニジマスがここまで流されて貯まるらしい。
「スーパーで買ってきたイクラで釣るんや」っておっちゃんのアドバイス。
よし、5月は滋賀県釣り行脚もいいかも。その時期はホンモロコにコアユも釣れる。釣りたての湖魚と一緒に頂く滋賀の地酒は最高なんです。
「ええこと聞いたわ。おっちゃんありがとう、また来るわ!」
ということで、おっちゃんとお別れしました。ニジマスええよなあ…ちなみに漁券とか買わなくて大丈夫なんかな?
小谷城もまだ実は寄ったことがないんです。寄ってみたいけど、行けば半日以上は時間を費やしてしまいそうなので今回もスルー。今度ここだけで一日かけて訪れてみます。
高時川を渡ってから、高月の観音の里にちょい寄り道。渡岸寺近くの渡岸寺庵で昼飯にするかと思ったのですが、やはりここもコロナ対策で閉店中。
立ち去ろうとする私がさぞ残念そうに見えたのか、この店をされているおっちゃんが声をかけてくれ、「すまんの、こういう状況やし閉めとんのや。もしよかったらそこの細い道からええ景色が見えるし案内しよか?」と。
そう言われれば断れないのでついていきました。
おっちゃんの見せてくれた景色は…
民家の横を抜けたら田植え前の田んぼが一面に広がる景色。その向こうには小谷城跡のある小谷山。そして振り返ると山本山城のあった山本山、さらに南に虎御前山と、ここにくれば元亀争乱のメイン舞台をぐるっと見渡せるということを教えていただきました。
地元の方ならではのビューポイント。しかしここからおっちゃんのトークが30分ほど炸裂。お腹減ったな〜と思いつつ田んぼの真ん中に立たされ続けるのでした。
でも、いい場所教えてくれてありがと、おっちゃん。
なんとか木之本に到着。もうお腹減りすぎ…ハンガーノックです。なのに閉まっているお店ばかり。ちょうど開いていた「お食事 お酒処みちくさ」さんに飛び込みました。
焼き鯖そうめん定食を注文。(たしか朝も焼き鯖そうめん食べたんじゃ…)
この焼き鯖が絶品。旨味がギュッと詰まった大振りの鯖がどんと乗っかってめちゃめちゃ美味しい。女将さんが近所で摘んでこられたフキノトウの天ぷらもほろ苦さがたまらなく旨い!
たまたま飛び込んだお店だけど、女将さんの人柄も最高でした。
「草津から来られたの? たまに大津の方に旅行するのが好きでねえ。もしよかったら住所を教えてくださいな。」
定食屋に入って住所聞かれることは稀ですが女将さんの人柄の良さに住所を書いて渡しました。後日、葉書に手書きのメッセージと手書きの割引券が届きました。そうだ、商売をするならこんなふうに心のこもったことをやりたいな。そんなことを教えてもらいました。
それと気づきが…。湖北の人は大津に行くのはちょっとした旅行なんだということも。(そういう私も湖北を旅行中です。)実は滋賀の人は琵琶湖によって湖北・湖東・湖南・湖西と分断されてしまっていて、思っている以上に文化圏が違うのかも。そんなことも感じた瞬間でした。
奥琵琶湖から湖西エリアへ
なんだかんだで少しづつ日が翳り始める時間帯に。相変わらず何度見ても大浦から続く奥琵琶湖の風景はいい。午後に入ってようやく琵琶湖と対面。
今日は近江舞子まで行かないといけないので、ちょっとここからは駆け足でいきます。
マキノ駅に併設の観光案内所にてカードをゲット。
そこから次は北国海道(西近江路)を使って南下します。(ビワイチルートではないという変なこだわり…)
高島歴史民族資料館にてカード追加。
日没近くの平日の白髭神社はずいぶん人は少なかったです。何度も来る場所なのですが何度見ても絵になる景色ですね。
北小松から国道を離れ、湖岸の集落の中をゆっくりと急ぎます。
このあたりの琵琶湖は特に美しい。水の透明感と波の静けさ。「さざなみ」という言葉はそれだけで琵琶湖を表す言葉だそうです。そのさざなみという表現がぴったりの琵琶湖がそこにありました。
ホテルに到着
そんなさざなみの湖岸沿いを進んだ先に、この日の宿泊場所「ホテル琵琶レイクオーツカ」さんがありました。
ちなみに、ホテル琵琶レイクオーツカさんの支配人の方は地元滋賀ではちょっと有名なお方。
滋賀県の名物の一つに「飛び出し坊や」という子供が道路に飛び出そうとする姿を現した交通看板があるのですが、県内各地で様々な飛び出し坊やがいます。そんな飛び出し坊やの写真を撮り続けておられるのです。
なんと、ホテルの入り口に置かれているアマビエ飛び出し坊やは支配人のお手製!
しかも支配人もサイクリストだったりしますので、ビワイチに来られるお客様をとても大事にされておられます。
初めてこちらへ宿泊しましたが、ロケーション、ホテルの設備、お食事など全てとても素晴らしいものでした。滋賀県のホテルってそんなに名前で売れているようなところは少ないかもしれませんが、目立たなくてもとってもサービスレベルの高いところばかりです。まるで滋賀県そのもののようですね。
こちらでは部屋の中に自転車を持ち込ませていただきました。なんとスタンドとマットまで用意されているという嬉しい対応。
今回宿泊の二軒のホテル、それぞれ満足度の高いホテルとしてオススメできます!
さて、明日はちょっと天気が崩れそうです。気持ち的には目的達成。日本遺産カードもここまでで9枚ゲット。雨の強さをみてからどうするか考えるとしますか…
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