自転車でめぐる近江の旧街道~志那街道と志那三郷の藤

志那三郷の藤

4月の末から5月の上旬にかけて草津市の観光スポットとして、観光客でにぎわう場所があります。
それが「三大神社の砂擦りの藤」です。
例にもれず私も三大神社の藤は何回か見に行ったことはあります。さすが砂擦りの藤というだけあって樹齢400年の
藤が地面に届きそうなところまで伸び、大変見事なものです。
実はこの藤棚、三大神社ばかりが有名ですがこの付近の他の神社にもあるのです。
三大神社のあるのは「志那吉田」と言われる地域、このほか志那の「志那神社の藤棚」、志那中の「惣社神社の藤棚」を
あわせて「志那三郷の藤」と呼ばれます。

志那三郷って

志那三郷とは先に述べた「志那」「志那中」「志那吉田」の3つの地域を指す言葉。
旧志那湊から続く「志那街道」沿いに点在し、それぞれの地域に神社があります。
志那町誌によるとこの「志那(シナ)」という言葉、【風、風神、伊吹】を表すモンクメール語※に由来するそうで、
(※モンクメール語とはカンボジアを中心とするインドシナ半島で古くから使われる言語)
この地域が大陸からやってきた渡来人の影響を大きく受けていたことを現在に伝えています。
志那三郷の神社の神様はいずれも「志那津彦命・志那津姫命」で風の神様。(ちなみに夫婦の神様らしい・・・)

またこんな由来も・・・、

(Google Mapより)
写真のように三郷の位置関係がちょうど漢字の「品」に見えます。当時、この志那は志那港を通じて対岸の阪本港と往来が多く、延暦寺とも
深く関わる地域でした。天台宗開祖の最澄が比叡山から対岸の志那三郷を見下ろして、ちょうど「品」の字に見えることから、
「品の郷」と言われるようになったともあります。

このように古くからこの3つの地域は切っても切れれない歴史のつながりの中で存在しています。
これら三郷の神社にそれぞれ藤棚があるのも納得です。

砂擦りの藤、三大神社


三大神社にはメロン街道(草津から守山の農道)を志那町のあたりで曲がります。


藤の季節だとこのような幟がはためいてます。


さすが砂擦りの藤で有名なだけあって観光客もたくさん。境内のすぐ横には駐車場も完備されており、
(駐車場は無料)参道では土産物の販売などもされてます。


砂擦りの藤は境内の藤棚の奥の方にあり、入るには協力金として200円が必要。

入り口手前から見るだけでも十分過ぎるくらい見応えのある藤棚です。(って、200円ケチった…)

志那神社

三大神社から真っ直ぐ琵琶湖に向かって500mほど進むと、志那町の「志那神社」があります。

こちらは三大神社から足を伸ばす人も少なくヒッソリ…

鳥居から真っ直ぐ100mほど松並木の参道があり、その奥に小さめの本殿が鎮座します。

どこに藤棚があるの?って思ったら・・・

拝殿の陰に隠れるようにホントにひっそりとあります。
小さな藤棚ですが、少し殺風景な感じのする境内の景色を遠慮気味に色付けてました。

惣社神社

志那三郷の藤の最後は志那中町の「惣社神社」
こちらには三大神社からだと北に600mほど進んだところにあります。
こういう移動は徒歩だと結構シンドイ…なので自転車が良いんですよね(^^)

こちらも三大神社の賑わいに比べると、びっくりするくらいの静けさ…
しかし結構立派な神社です。この神社が実は志那三郷の惣氏神なんだそう。社格も「郷社」ということですのでさすがに貫禄のある佇まいの境内。

拝殿もしっかり維持管理されている様子です。

で、藤棚はというと…

ありました!
三大神社よりは規模は小さいものの、結構見応えある藤棚です。
こちらも同じく樹齢500年くらいのものだそうで、
砂擦りとまではいきませんが、見事な花を咲かせています!

ほら、どうです?
スマホのカメラで撮影した写真なので、イマイチ良さは伝わらないかもしれませんが、
人が少ないこともあり、藤棚を独り占めできますよ。

まとめ

今回初めて志那三郷の藤を見て回りました。三大神社以外にもちゃんと長い歴史とともに地域の人々の維持によって
藤棚が花を咲かせていることが素晴らしいですね。
志那の藤を見るときは是非、自転車で三郷の藤をまわってみてはいかがでしょうか?

志那街道の話は・・・、そう言えば、まだでしたね。
続きはまたこの次に・・・。

※今回は記事のいくつかで志那町内会が発行している「志那町誌」を参照させていただきました。

志那街道と藤の三郷の地図

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1件のコメント

[…] 先日のブログで「志那三郷の藤」を紹介させていただきました。 そこでは草津市の志那地域について地名の成り立ちや、地域を守る神社、それぞれの藤棚について記事にしています。 その志那という地域に中世に重要な意味を持った街道がありました。 […]

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