関蝉丸神社
月心寺の一般公開が7月18日〜19日にあると言うので妻に声をかけてみたところ、「行くわ!」と言うので自転車で向かいました。(ちなみに私は一昨年の秋に一度入ったことがある)
月心寺に行くには現地に駐車場がないため、電車かタクシーか徒歩か自転車となります。最も一般的な方法は、京阪電車京津線の浜大津から大谷で降りると徒歩5分程度というルートか。
当日は梅雨の晴れ間となり天気も良かったので、運動ついでに自転車で行ってみることに。まずは近江大橋を渡って、なぎさ公園の大好きな眺めを堪能しつつ浜大津へ。
で、そこから一路左手の山手への向かい、徐々に登る逢坂山方面へと進みます。
京都まで自転車で行く際はこの道で行く場合が多いが、いつもは素通りしている「関蝉丸神社」のことを思い出しました。逢坂の関と言えば百人一首で一人頭巾を被ってることで有名な(本当はそんな程度で有名な人ではないけれど)「蝉丸」だろう。
その蝉丸ゆかりの神社がこの逢坂山界隈にはなんと3つもあるのです。蝉丸密集地帯とでもいうべきか?
そのうちの一つ「関蝉丸神社・下社」が、大津駅から真っ直ぐ逢坂山を貫くトンネルへと向かうJRの上を県道が超えたあたりにあります。よく見るとこの辺りの交通の絡み方は結構複雑…。JRの上に県道と京津線が乗っかっています。で、そのもう一つ高いところに国道1号線が走り、そのさらに上の方に名神高速が走っていたり…。まさに日本の頸動脈か、って感じの主要交通網の交わりです。
ここは芸事の神様と言うことで、通常5月には芸能祭が執り行われています。他にも眼や髪の毛にもご利益があるそう。その意味で私も今から色々お世話になりそうな神社なのである…。
で、こちらには「関の清水」と言う湧き水があり(今は水は出ていません)、当時は渾々と水が湧き出ていたらしい。
そんな由緒ある関蝉丸神だが、本殿含めかなり痛みが激しい様子。
着いたときは地元の皆さんが草むしりなどのお世話をされていたのでちょっと聞いてみました。
話を聞くと数年前からは神主さんがいなくなり、滋賀県神社庁で管理されているとのこと。ただ社務所なども痛みが激しく、このままでは建物崩壊もあると言うことで地元の方々で寄付を募って建物を壊すための費用を捻出されたとのことでした。
まだ本殿の修理なども必要と言うことで、現在こちらの神社のサポーターを募集されているということなので何とか残っていって欲しいものである。どこのこういった神社や史跡もなんだかんたお金がかかるので、地域でお世話する人がいるうちはいいが、そうでなくなるとどれだけ歴史的に貴重なものでも廃墟と化してしまう…。観光的にはこういった資源は残って欲しいのだけど、そのためにはやっぱり知られるということが大事だと考える。 ということで、当ブログのような存在が頑張って誰かの目の止まるように頑張らないといけないのです。
鳥居のすぐ前が京津線の踏切という変わった場所にあるこちらの神社。こんな風に鳥居と電車の面白い写真が撮れたりするので是非立ち寄ってみてください。
旧逢坂山隧道
さて、さらに登っていくと道路脇に切れ目にひっそりと鉄道遺産への入り口がある。こちらも実は私今まで立ち寄ったことがありませんでした。
ここは「旧逢坂山隧道東口」という場所。
現在のJRはここへ来る途中にガードを超えてきたが、我が国に鉄道が初めて敷設された明治〜大正時代はこちらが鉄道の走っていた場所でした。
線路は今の国道1号線のところを通ってこちらへとアクセスしたようなので、大津駅の場所も現在よりも南側にあったらしい。
この隧道はこの先の大谷あたりに西口の跡があり、そこから現在の名神のルートで一旦南下。山科駅は現在の名神高速道路の小野小学校前あたりにあったそうで、そこから伏見稲荷のある奈良線・稲荷駅方面にくりっと曲がって北上し京都駅へと向かったとあった。それを想像するに京都駅まではずいぶんクネクネと曲がりながら進んだことが窺い知れる。
隧道入り口には水が湧き出て水たまりになっていた。プクプクと底から湧き出ている様子もよく見れるほどで触るととても冷たく気持ちいい。隧道内部も涼しく、この日のように暑い時期に是非立ち寄りたいスポットです。
月心寺・走井庭園
国道1号線と京津線を横目に見ながら、大谷駅をすぎると見えてきました。
「月心寺」です。
正確にはこちらは走井と言われる湧き水を中心とした庭園と建物のエリアで、塀を隔てて西側に「月心寺」の境内があります。月心寺は元は臨済宗系の単独寺院だが、その隣の走井庭園とともに東海道の往来が賑やかな頃は人の立ち寄ることも多い場所でした。
しかし、交通の変化で立ち寄る人も無くなっていき廃れていたところを、日本画家の橋本関雪が買い取って現在に至ります。月心寺はその橋本関雪の墓所となっています。
どちらも普段は非公開で、走井庭園は10名以上の予約で開園していただけます。
門を潜った先には、東海道・逢坂の関の名水と言われた「走井の井筒」がありました。
東海道の賑わいが会った頃はこの名水を使ってお茶や餅が旅人に提供され、その様子は歌川広重の東海道五十三次にも描かれています。大津・走り井餅本家の「走り井餅」や京都の石清水八幡宮土産となっているやはた走井餅老舗の「走井餅」はどちらもここが発祥となっている。HPの由来を読む限りやはたの方が分家っぽい。
こういった名物は京都の八つ橋しかり、どこも本家争いは珍しくない。走井餅に関しては争ってないようなので好感が持てますね。
この日は「夏遊会」というイベントが敷地内で開催され、7名の様々なカテゴリーの作家が作品展示とともに集っておられました。
走井居と言われる邸宅に上がり奥へと進むと緑の濃い回遊式庭園が広がり、先ほどまでの喧騒とは打って変わって静寂の世界となっていました。
池の奥には走井の元井戸があり、一筋の水が池へと注がれていました。
先ほどの関の清水や、旧逢坂山隧道の湧き水など、この逢坂山は非常に湧き水が豊富なところのよう。
確か数年前の大雨かなんかで、この辺りが水で溢れ、京津線が土砂で埋もれたことがありましたが、おそらくそういった水の出やすい地盤なのかもしれない。
庭園を見下ろす位置に、小野小町が百歳まで過ごした(当時で百歳は凄すぎる…)と言われる百歳堂と言われる庵があります。
ここは庭園全景を独り占めできる景色が堪能でき、とても素晴らしい場所でした。
ここならストレスフリーで長生きできるのも納得です。ちなみに小野小町百歳の像が安置されています。撮影禁止なので是非ご自身の目で確認してくださいませ。なかなか百歳にしては若い感じですので…。
最近、GoproでのVlogにもチャレンジしている。こちらの庭園の様子を動画で撮ってみているので、よければ見ていっていただければ…。
逢坂山には他にも日本三大関所の一つ「逢坂の関跡」や、この日は土用の丑で賑わっていたうなぎの「かねよ」さんがあったりします。ちょっとリッチなランチにかねよの鰻なんて贅沢なサイクリングも提案しておきます。って、我ら夫婦は高級鰻には近づけないので浜大津のカレー屋を目指しますが…。
今回のコース
今回のコースをグーグルマップで作成しておきました。多分迷うようなところはないと思うけど…
我らは自宅から自走したが、県外や遠くの方ならまずは大津駅の1階にある大津駅観光案内所「OTSURY」でレンタサイクルを利用すると便利です。
クロスバイクの貸し出しもあるので、逢坂山のように少し坂道になっているところでは軽々と登ってくれるので助ります。
そのまま少し浜大津のなぎや公園や、大津の商店街、琵琶湖疏水などもポタリング圏内なのでオススメ。
【コース上の注意点】
・逢坂1丁目の交差点で国道1号線に出たら信号を渡って左側の歩道を。国道は大変交通量が多く危険なので。
・歩道を走る際は、歩行者に充分注意して走行をお願いします。
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