東京2020オリンピック マウンテンバイク決勝観戦レポート(伊豆MTBコース編)

会場に行けない⁉︎

朝もユックリめにチェックアウトし、修善寺温泉から路線バスで修善寺駅へ。そこからバスで会場に入ります。

マウンテンバイクの決勝は15時からなので、時間は十分すぎるくらい。

修善寺駅では、観戦客を受け入れるボランティアスタッフの方々が朝からたくさん準備に追われている様子です。

駅の裏口にシャトルバスの乗り場と思われる白いテントがありました。

フナズシマル

こっからバスに乗ればいいんやな

そう理解し、近くにいたスタッフの方にバスは何時くらいから出始めるのか聞いてみたところ…

スタッフ

何時のバスを予約されていますか?

…ん? 予約ってなに?

よくわからないというふうな顔をしていると、そのボランティアスタッフは責任者と思われるスタッフに何やら確認している様子。しばらくして、こう言ってこいと伝えられたようで、こちらへ再び来られた。

スタッフ

競技開始の1時間前くらいにこちらへ来ていただければ大丈夫と思います!

とな。

えっ、今10時だけど今から14時まで4時間もこの修善寺駅周辺で過ごさなあかんの? というか予約ってなんだよ…。

14時まで待つなんていくらなんでも…と、他の交通手段がないか探してみましたが、どうやら路線バスはオリンピック期間は運行中止にになっているみたい。

そんならタクシーは?と聞いてみたら、車も別の場所の駐車場でシャトルバスに乗り換えて会場入りする必要があるらしい。

ならば昨日と同じくレンタサイクルでどや!

距離は修善寺から日本サイクルスポーツセンターまでは上りではあるものの8km程度やし行けるやろ。時間もたっぷりあるし!

しかし、会場は自転車も入れないとのこと…でした。

要するに、シャトルバス以外の交通手段をシャットアウトしているのでした。完全に希望は立たれてしまいました…。

まあよくよく考えれば、オリンピックですからそのくらいの厳重な出入りの制限は当たり前なんですが、まったく何も考えていない私が悪いんです。

でもこの後に及んで、開催是非のゴタゴタでオレにメール来てないんとちゃうか?って思って、再度オリンピック事務局から送られてきていたメールを見返すと、確かに数日前にシャトルバスの予約ができているか確認を促すメールが来ていました。

フナズシマル

し、しまった。やらかした…。ここまで来て会場入りできないのか?オレ…(涙)

改めて別のスタッフにシャトルバスの予約ができていないこと告げると、

スタッフ

予約されていないと乗れないんです…すみません

フナズシマル

お、終わった…。これではただの修善寺温泉に遊びに来ただけではないか…

スタッフ

一応、徒歩なら会場に向かうことはできますよ。

フナズシマル

と、徒歩って8km歩けって言うの? この暑い中? マジかいな…

途方にくれてオリンピック事務局の問い合わせ電話番号にかけて聞いてみたところ、シャトルバスは予約者優先ですが席に空きがあれば乗れるとのこと。なので予約が空き始めるころに乗り場で聞いてみてくださいと教えていただいた。

スタッフによって見解が変わるのはよくあること。彼は知らなかっただけなので彼に罪はない。あくまでも悪いのはちゃんと確認してない私なので…。

最初のスタッフからの「競技開始1時間前に来てください」というコメントは、おそらくシャトルバスの予約が空き始めるのがそのくらいだということだったのでしょうね。大変失礼いたしました。

ということで、修善寺駅名物の「武士のあじ寿司」を食べながら、駅で気長に待つことにしました。

ようやく会場入り!

なんだかんだで13時30分くらいにシャトルバスに搭乗。

ひとまず当初の目的を果たすことはできそうです。

バス乗り場ではペットボトルが会場内に1本以上は持ち込めないことが告げられ、と同時にお好きなドリンク一本頂きました。あとまたまた保冷剤も。

たぶんオリンピックの公式スポンサーにコカコーラが入っているから会場内で買えってことなのでしょうかね。いろいろと大人の事情がありそうです。

聖火リレーの警備ボランティアの際も、たしかアシックス以外のロゴがついた服を着る場合は見えないようにするよう要請がありました。つくづくオリンピックってのが巨大なビジネスなのだと思い知らされます。そんなことも日本開催だからこそ見えてくるのかもしれませんね。

会場に着くと、空港並みの厳重な手荷物検査や体温チェックなどを経てようやく会場内に入ることができます。そりゃアクセス方法を限定せんとあかんわな。

水に濡らして首に巻くタオルを頂きました。

会場内にある簡易な水道でタオルを濡らします。

会場入り口からはサーキットコースの登り坂を300mほど歩いてスタンドのあるホームストレートに向かいます。

歩くのがしんどい方向けに未来的な乗り物も用意されておりました。自動運転かと思ったら運転手はいるみたいです。

こちらは出場チームの控室のようですね。フェンスの隙間から描くチームの選手やメカニックっぽいひとの姿が見えます。

ようやくスタンド前に到着。(険しい顔していますが、暑くて歩くのもキツかった顔です)

時間的にもまだ余裕あるので、コースでもみて回ることにします。

なんだかんだで会場入りの時間もちょうどよかったみたい。

伊豆MTBコース

TOKYO2020公式ホームページ 観戦ガイドより

伊豆MTBコースは日本サイクルスポーツセンターのサーキット内に作られた、全長4,100m・高低差150mのオフロードコースです。

コース内には「天城越え」や「浄蓮の滝」など、石川さゆりの名曲にも出てくる地名が名付けられた8つの障害物のあるポイントが配置されています。

スタートして舗装されたストレートから最初に現れる岩場が「天城越え」

岩が点在するS字カーブをポジション取りしながら進むエリアです。このエリアの最後に赤い橋があり、次の森林エリアへと入って行きます。

ピットエリア手前には大きな岩がゴロゴロと無造作に積まれたところを下る「浄蓮の滝」があります。

素人目からは無造作に見えるのですが、選手たちにはちゃんと通るラインが見ているのですね。各選手同じラインをさも普通の道のように走り抜けて行きます。

ピットエリアでは壊れたパーツの交換やドリンクの補給が行われます。メカニックらしき方々がホイールの準備をされていました。

「箸」だそうです。

観戦ガイドの解説によれば、(箸を2本の丸太で表現した遊び心あるデザイン)だそうです。

いやあこれ越えるの遊びどころか命懸けですから…

「踊り子歩道」は歩道とは言いますが、もちろん歩道ではありません。ただ人一人分くらいの細い道(いわゆるシングルトラック)の下り坂となっています。こういった箇所かいくつかあるのですが、ここでは追い抜くことができないので、どこで追い抜くかという戦略もMTBの見所なのでしょう。

この辺りから「伊豆半島」と名付けられた庭園のようなエリアが眼下に広がります。

棚田のような独特の地形と、その周囲に咲くコスモスの畑。これが本当にオリンピックの会場なのかと思うくらい綺麗な場所です。

どこかの自然公園って感じしかしませんよね。ここで本当に熾烈な世界戦が行われるのが想像できないくらいです。

「伊豆半島」のコスモス畑から「わさび」と名付けられたシングルトラックの登りを撮影したものです。本コースで最も高低差のある登りです。

俯瞰でないとわからないのですが、「伊豆半島」と呼ばれるエリアは、コースの形が伊豆半島の形状になっています。(上のマップの⑦のところですよ)

「枯山水」も見るからに難易度の高そうな下りセクションですね。木々と岩の連続する中を素早い判断で駆け降りる必要があります。

決勝レーススタート!

マウンテンバイクのレースを見に来たものの、実はまったく予備知識なし。

一体誰が強いのか? 日本人選手は誰がいるのか? など知らないままここのやってきてしまった。

それでもこのコースを見て歩くだけでも十分面白かったわけですが、応援する選手がいた方がもっと面白いわけで…。

海外選手だとワールドカップ13勝のマテュー・ファンデル・プール(オランダ)や、リオオリンピック優勝で世界選手権8勝のニノ・シューター(スイス)が注目選手のようですね。

特にマテューはつい先日のツールドフランスで第2ステージで優勝し、第7ステージまでマイヨジョーヌを着続けていたのは記憶に新しいところです。

日本人選手は、アジア選手権で10度、全日本選手権12度の優勝を誇るアジアの絶対的王者として君臨する山本幸平選手が注目です。直前まで知りませんでしたが成績だけ見るとめちゃくちゃ強い選手ですね。で、山本選手のにわかファンになりました。

レース開始時に観戦場所に選んだのはピットのあるちょうどコースの中央。ここだと迫力ある「桜吹雪は見れないものの、動き回らなくてもいろんなポイントが一望できるお得な場所なのです。ちなみにここは見えないところは大型モニターが映してくれますから。

レース序盤に遠くで悲鳴のような声が! どうやらいきなり落車があった様子。

目の前の大型モニターにはその「桜吹雪」にある巨大な岩の下で膝を抱える有力選手・マチューの姿が…。

この岩を飛び越えられずに前転してしまったようです。マチューはこの落車でリタイアしてしまいました。

その後もレースは続き、手が届きそうなところを選手たちが次々と走り抜けて行きます。そのあとは濛々と立ち登る砂埃…。これがマウンテンバイクの迫力ですね。

テレビでは伝わらないリアルなレースの雰囲気。それを感じることができました。

その後は、日本人選手の山本幸平選手を追いかけます。

どのエリアでも「コーヘー、コーヘー!」の掛け声が響きます。とってもファンの多い選手のようですね。体格を見てても海外の選手とまったく引けをとっていません。

金メダルは、イギリスのトーマス・ピドコック。銀メダルは、スイスのマティアス・フリューギガー。銅メダルは、スペインのダビド・バレロセラノでした。

ピドコックもマウンテンだけでなくシクロでもロードでも驚異的な戦績を残すマルチな怪物選手らしいのですが、このオリンピックでマチューやニノが席巻したマウンテンバイク界に世代交代を叩きつけたと評されています。後々も注目していきたいですね。

我らが山本幸平選手は堂々の29位完走。

これだけ過酷なレースを完走で終えるのは並大抵のことではないと感じます。世界レベルの選手だからこそ成し遂げられるのでしょうね。

山本選手はこのオリンピックで選手生活を引退することのこと。にわかファンではありましたが、そんな選手の花道を間近で見ることができてありがたいです。

ちょこっと動画撮影したものがあったのでショートムービー作ってみました。といっても意識して撮影してなかったので数十秒程度のものです。なんとなく雰囲気が伝われば…

まとめ

2年待ってようやく見ることが叶ったオリンピック。

数少ない有観客で開催された自転車競技は、おそらくこれまで自転車競技に接することのなかった人々を魅了し、新しいファンを作り出していると思います。

実際、マウンテンバイクの会場でも「初めて見たけどすごい迫力、面白い!」って声をいくつか聞きました。

いろいろと賛否両論はありましたが、東京ではなく静岡で開催されたことでみんなの目に触れる機会が残されたことは、少なくとも自転車界にとってはプラスの影響になると期待します。

私自身、このマウンテンバイクレースを間近で見たことで、もうちょっと本気でMTBやってみようかな?って思いました。

ただこの伊豆MTBコースは自分で走っちゃいけませんね。見るだけにしておきます…。

オリンピックをリアルやテレビを通して見て思ったこと。

月並みですがオリンピックはやっぱり選手のためのものだなと。ここへ向けて努力し続けてきた世界中のアスリート達にとって無くしてはならない場所なんだと思います。

観客の有無はともかく、そういう世界中の人がありとあらゆる形式で平和的に競い合うスポーツの祭典って、世界中の人が目指すゴールとして重要なんだろうなって…。その意味で今回の東京オリンピックが開催されてよかったと思います。

そしてスポーツの形を問わず様々な表現ができる場所としてオリンピックはこの先も続いてほしいと思います。

コロナ禍の中、このような旅行や人混みに敢えて行く行為、またそれをわざわざブログに書いて公開することは、人によっては好ましく思わない方もいらっしゃるかと思います。

そんなに高尚な考えがあるわけではないですが、私は今回敢えてブログに記録として残し公開しました。うーんなんだろう…、なんかね、なんでもかんでも自粛自粛っていうのが凄く違和感あるんです。楽しむことがダメって言われているような…。

もちろん医療従事者の方の負担や、ちゃんと我慢している人のことを考えると大変ノーテンキな話ではありますね。誰かを感染させたいとか、自分が感染したいとか思いませんが、ある一定の社会的マナーや感染防止策は守った上で、日々を楽しむ権利までは剥奪されるべきではないと思うのです。

上手く言えないですが、ちょっとだけ私の思いを最後に書かせていただきました。若干自分への言い訳っぽいですね。でも、こんなことを言い訳しなくても純粋に色々楽しくブログに書ける世の中に早く戻ってほしいと思います。

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