中山道沿いの山城~長比城
たまにしかやらないこの企画、今回はたまたま中山道を自転車で走っていたら見かけた城跡、米原市の「長比城(たけくらべじょう)」を紹介します。
ある意味これこそ自転車で行く近江の城らしいアプローチ。わざわざ山深いところへ行くというよりも、気軽にサクッと行ける城跡っていうのがいいんです。まあ、そんな都合の良い城跡も割と多いのが滋賀の凄いところでもあるのですよね。
中山道を醒井から関ケ原へと向かう途中に「柏原宿」があります。すぐ先には滋賀と岐阜の県境があり、「寝物語の里」として知られている場所です。
県境の手前に「長比城跡登山口」との石碑が立っており、舗装路が先へと伸びていました。これはロードバイクでも行けそうということで、急きょ寄り道してみました。
長比城への道
若干の?ヒルクライムを経て治水施設前のある広い場所へ出てきました。川を挟んで右側の山手には「神明神社」の社が。
そこに自転車を止めて、
野瀬山登山口を「秋葉神社」方面へと登ります。
割と整備された登山道ですが、台風の影響などで大きな木が倒れているところもあるので注意が必要。
この辺りはクマもでるんですかね?? 「カンカンしてねっ!」と書かれた手作りの鐘が所々に設置されています。私もカンカンしました!
長比城の城址
30分ほど登ると「長比城」の西の曲輪にたどり着きました。
最初に現れたのは竪堀。わかりやすく看板が設置されています。ここはかなり保存のために人の手が入っているようです。
西の曲輪への虎口。
ハッキリとした土塁が周囲を囲む西の曲輪。それを単純に切りかいたようなわかりやすい形状の平入り虎口から曲輪の中へと入ります。この時は9月でしたが、さほど雑草は生い茂っていないようです。
西の曲輪には虎口が2つ存在します。その東側虎口から、東の曲輪へと向かうことができました。東の曲輪は西の曲輪よりも一段高くなっており、土塁がせり上がっています。この土塁の下から回り込むように進むと、内枡形となっている虎口が現れ、東の曲輪へ入ることができます。
東の曲輪にはなぜかドラム缶…。
あっ、あれか!きっと今年で18回目の開催となる「近江中世城郭跡 琵琶湖一周のろし駅伝」というイベントで使うやつだ。たぶん…。とりあえず、そういうことにしておく。
ちなみにこのイベント、令和元年の今年は11月23日を予定している模様。内容は、湖南市の三雲城から滋賀県に散らばる39か所の中世城郭跡で「狼煙」を順に上げて、琵琶湖を一周するように繋いでいくという、とってもマニアックかつ壮大でバカバカしくて素敵なイベントです。
これもビワイチ…ですね。
そう言えば、「長比城」の紹介がまだでした。
「長比城」とは、浅井長政が朝倉氏の応援を受けて滋賀と岐阜の県境に築いた要害の城です。敵はもちろん織田信長。当時浅井長政は、信長を見限り朝倉氏と手を結んで、一度は信長を追いやりました(有名な金ケ崎の退き口と言われる、信長最大のピンチ)。なんとか京を経由し岐阜に戻った信長が再び浅井・朝倉に対して攻め込んできた際に、長政が対信長の前線基地としてこの「長比城」や「上平寺城」を築いたのです。
ところがこの城を任されていた堀秀村は、あの竹中半兵衛の調略により敢え無く投降。あっさりと「長比城」は信長のものになり、信長の近江侵攻の足掛かりとなりました。その後は皆さんご存知の通り。こんなマイナーなお城ですが、実は歴史的なスーパー武将達の足跡が刻まれているんですよね。
眺望が素晴らしい長比城
このお城の素晴らしいところは、何といってもその眺め!
眼下には「柏原宿」の町並み。
反対側には伊吹山が…。
まさに、サイクリングの寄り道にピッタリな素敵な山城でした。
所在地:滋賀県米原市柏原
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