近江の地酒:天井川 純米吟醸生原酒

草津市は酒蔵の街

滋賀県は道の国。古代からいくつもの幹線道路が通っています。
その中において特に草津市は東海道や中山道、そこから琵琶湖の湊へ通じる街道が数多くあり、道の街とも言えます。

『人の集まるところ酒あり・・・』

街道の宿場には必ずとは言えないまでも、かなりの確率で今でも続く酒蔵があったりするのです。
草津宿本陣が残る草津には今も酒造りを続ける酒蔵が東海道沿いに2軒あります。
1軒は「道灌」ブランドの太田酒造。こちらは本陣に近く、街道でもひときわ目に付く大きな蔵の構えが街道のシンボル的な存在にもなっています。
そしてもう1軒、「天井川」ブランドの古川酒造があります。
こちらは宿場の中心からやや外れた場所にある酒蔵です。

天井川 純米吟醸生原酒

草津は天井川の街でもあります。
天井川とは家などのある地面よりも高いところを流れる川のこと。滋賀県は盆地で、県境には琵琶湖を取り囲むように山々が存在し、琵琶湖に向けて何本もの川が流れています。
古代、石山寺や奈良の大仏の建立のために山の木が大量に使われ、このあたりの山ははげ山になってしまいました。
そのため山の土砂が流れやすくなり、結果としてこのあたりに大量の土砂を含みながら流れ出し、その氾濫を防ぐため堤防を築き、また氾濫、また堤防と繰り返すうちに家よりも高い川になってしまったのです。
天井川で有名なのは「草津川」(現在は水は流れておらず公園として整備されています)ですが、草津市内には他にも何本かの天井川が流れており、まさに天井川の街でもあるのです。

そんな天井川の名を冠するのが古川酒造のお酒なのです。

今回購入したのは「純米吟醸」。
酒米は滋賀県産酒造好適米の「吟吹雪」。これを100%使用して醸されているお酒です。

太田酒造の「道灌」はどちらかというとさっぱりとした辛口系のレパートリーが多い印象ですが、古川酒造「天井川」はどっしりとした濃厚旨口系
酸はやや控えめで甘みが勝った感じです。
同じ土地、同じ街道沿い、現在の草津川の流れを挟んで存在する二つの酒蔵でも味のキャラは結構違います。面白い!

天井川の生原酒には他に、日本晴を使った本醸造、山田錦の純米大吟醸があります。
この純米吟醸はちょうど中間的スペックの存在ですね。
ちなみに普通酒ブランドには「宗花」というのも・・・。

今度は天井川と道灌、似たスペックの2本を飲み比べしてみるのもありかな?

天井川 純米吟醸
酒米:滋賀県産吟吹雪100%
精米歩合:55%
度数:17~17.9度

古川酒造
〒525−0053
滋賀県草津市矢倉1−3−33
TEL:077-562-2116

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