シコイチ(四国一周サイクリング)チャレンジ:6日目

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リスタート!

2019年の終戦記念日を休養日にしてくれた台風イチマル号は去った。今朝の宇和島の空は雲は多いものの、穏やかさを取り戻している。これなら出発はできそうだ。

このまま行けば高松まであと2日。最後の宿泊は、ゲストハウスに一度は泊まってみたかったということもあり、今治の「シクロの家」を予約してある。

結局、この旅で野宿したのは一回きり。大袈裟にもデカいシートバックに野宿グッズを詰めて持って来たのに、ただ重たい荷物をぶら下げて走ったに過ぎない…。この先不要となりそうな荷物をシートバックに詰め込んで、ホテルから自宅へ送ることにした。

シートバックを外して身軽に

シートバックは登りのダンシング時に左右に揺れたりするので、シッティングで頑張らないといけない等、走行中の負担は大きい。これを外すことでかなり身軽になるはずだ。

2日ぶりに自転車へ跨がり、少し湿っぽい空気の中走り出した。やはりシートバッグがないだけで、かなり走りが軽くなっている。

ホテルの窓から見えていた公園の先に和霊神社という大きな神社と公園があった。残り二日の無事を祈って参拝。後で聞いた話だが、ここは私の現在勤めている宝グループと縁の深い場所らしい。たまたまだが、そんな場所を選んでいたようだ。

台風の影響で濁った海

この日初めて見た海は昨日の台風の影響で茶色く濁っていた。伊予吉田は2018年の西日本豪雨でミカン畑が山ごと流されるなど、大きな被害が出た地域だ。今回は大丈夫だったのだろうか…

伊予吉田を抜けると、左手に海に面した斜面に広がるミカン畑を見ながら坂道を登る。

海とミカン畑をバックに鉄道が走る

足元にはJR予讃線の線路が走る。こんな景色を見ながらの鉄道の旅もいいだろう。シコイチでもたびたび鉄道沿線を走っているが、その多くがいわゆるローカル線。四国はローカル線マニアにも、たまらない旅情を与えてくれる場所に違いない。

ちなみに本日のルート、シコイチでも有数の写真スポットが多いエリアだ。内子の町並み、伊予長浜の「赤橋」、下灘の駅等…。という情報を実はこの時点では全く持っていなかった。内子だけは、何となくそんな場所があるっていう程度に知ってたが…。要するに一周する事に頭が一杯で、観光スポットまで頭が回らなかったのである。

そんな状態で走り出したわけではあるが、古い景観が残る場所には自然と私のセンサーは反応する。

法花津峠を越えた先に「卯之町」という地域があった。国道に小さな案内が建っているのを見逃さなかった。

酒蔵のある風景

狭いながらも雰囲気のある卯之町の町並み

白壁や卯建のある建物といった、江戸中期から明治にかけての町並みが残されている。なぜかこういう景観を自転車で走ると落ち着くのだ。白いヘルメットを被った地元の中学生達が、皆ちゃんと「おはようございます!」と挨拶してくれる。勝手ながら、彼らも愛媛県によってサイクリストウェルカムな教育を受けているのか、と一瞬思ったが、いやいやもっと素直に考えないと…。当たり前のことを当たり前にできるのって素晴らしい。

八幡浜

旧街道気分を味わったところで、八幡浜を目指して進む。予讃線の線路に沿って気持ち良い直線道路が現れた。見晴らしが良いので、鉄道写真でも撮りたいなと思って時刻表を見てみたが、まだ当分電車が通ることはなさそうだ。仕方なく、感じの良い風景を探しながら進んでいると、伊予石城駅の向こう側の田んぼに、なにやら大きな物体が現れた!

わらマンモス・アート

後で調べたのだが、「わらマンモス・アート」と言うらしい。藁の感じがマンモスのフサフサとした毛のイメージを上手く表現できていて、ほんとにマンモスがいるようである。しかしなんで田んぼの真ん中にマンモス…なんだろう。

夫婦岩公園前の鉄道橋

マンモスアートの先で少し登り、長いトンネルを通り抜けると川沿いに下る道となる。途中、雰囲気のある鉄道橋の下を潜り、下りきれば八幡浜だ。

八幡浜市は佐多岬の付け根にある港町である。

九州と四国を繋ぐフェリー

道の駅「みなとオアシス八幡浜みなっと」の側は、九州(別府・臼杵)方面へ向かうフェリーの発着場となっており、大きなフェリーが行き交っていた。

道の駅自体も大きくて、

驚くほどのオレンジジュースの種類

新鮮な地元海産物を提供してくれる食堂や、焼きたてのパン屋さん、ここまでオレンジ色に染まったお土産売り場は見たことないと思うほど、様々なミカン系の商品が売られている売店等、なかなか楽しい道の駅だ。

道の駅から見えるミカン畑の山

写真では小さくて解りづらいが、山一個まるごとミカン畑になっているのが、道の駅の広場から見えた。山のてっぺんまで背の低いミカンの木で覆われていて、異様な姿の山である。ミカンの収穫の季節になれば、どんな光景が広がるのか非常に気になるところだ。

保内の赤レンガ倉庫と美名瀬橋

道の駅から少し進むと、そのミカン山の麓の街にたどり着く。「保内」というその集落は、江戸中期から昭和の初めごろまで愛媛県の中でも非常に発展した地域で、愛媛県初の銀行設立や県下で初めての電灯が灯った場所でもあるらしい。今は海沿いの小さな集落に過ぎないが、そのような場所に不釣り合いなほどのレトロな建物が残っているのだ。川沿いには大きな赤レンガの建物がひと際目を引く。旧東洋紡績川之石工場だ。

青い岸壁のある景観

赤レンガ倉庫の対岸には、特徴的な岸壁が見れる。矢羽積みという変わった工法を用いられて作られた「伊予青石」の青い岸壁である。かつてはここは運河として使われていたらしい。しかしそこまでの発展があったにも関わらず、ここまで栄枯盛衰が明確に見て取れる場所も珍しいのではないだろうか…。

暑すぎて…

快晴の瀬戸内

昼前になると曇っていた空が晴れ始めた。また暑さとの戦いが始まりそうである。一山越えた先には久々の瀬戸内が広がっていた。このまま海沿いを進めば松山には昼頃にたどり着けそうだ。

たしか「内子」という観光スポットには、八幡浜のあたりから内陸に進めば行けたのだが、敢えて山方面へ進む気になれず…。その内子から再び海沿いに出るあたりには「伊予長浜」という地区があり、現役で動く我が国最古の道路可動橋「長浜大橋」があるのだが、こちらは走っているコースからも見えたにも関わらず、そのまま走りすぎてしまった。

そして全くノーマークだったのは「下灘駅」。テレビドラマのロケ地としても有名で、インスタ映えスポットでもある海の見える景色の素晴らしい駅を、完全にすっ飛ばしてしまっていた。悔やんでも後の祭り…。知らなきゃ何てことないが、得てして後で知ることになるのだ。もうこうなったら、今回行けなかった足摺岬とセットで次回その辺のスポットに絶対行く。

松山入りのころにはすっかりカンカン照り。お腹も減ったのでこのあたりで何か食べたい…。

松山城

道後温泉駅

道後温泉で自撮り…暑くて倒れそうだ

せっかく松山市に入ったので、ランチの場所を探しつつ松山城や道後温泉にも行ってみた。松山城にはロープウェイ(観覧往復券:1020円)で本丸まで行けるが、ちょっと時間的に厳しいか。道後温泉…、とにかく暑すぎてホットなスプリングは気分的に長居は無用。

結局、アーケード街にあった「吉野家」で昼食を済ませ、松山を後にした。

酷暑の風早長浜海岸

道の駅「風和利」

太陽がギラつく。追い風なのはいいのだが、おかげで風を感じることなく走る海沿いの道は、1日目や2日目とも違って正直キツイ。道の駅「風和利」の前は海水浴場になっているのだが、日陰もない場所に長く留まるのは海に入っていてもヤバいのではないかと思えるくらいだ。道の駅の建物の中で、思わず座り込んでしまった。ここから日が陰るまでの時間帯が最も厳しい…。もう今治まではわずか25㎞程度なのだが、走る気が失せていく。

今治の夜

何とか奮起して再び自転車に跨り、たった25㎞を何度も休憩しつつ、今治市へ向けて走る。

今治は、数ある日本全国のサイクルシーンでも最も人気の高い「しまなみ海道」の四国側玄関口。愛媛県の自転車文化の発信源であり中心地だ。駅には駅舎の半分をも占めるのではないかとも思える「ジャイアントストア今治」があるなど、様々なサイクリストウェルカムな施設やサービスが充実している。

シクロの家の脇にあるイラスト

シクロの家 入り口

フラフラになりながらも、明るい内に今治に着いた。今晩の宿は人生初めてのゲストハウス「シクロの家」だ。その名の通りしまなみサイクリストなど、自転車ツアラーの交流の場所として作られた宿である。

身体に染みた、ウェルカムドリンク

宿の正面にはしまなみスタート&ゴールを表すイラストが描かれた大きな壁や、サイクルスタンドが設けられ、気分を盛り上げてくれる。もちろん大切な自転車は裏口から建物の中へ保管できるようになっており、各種工具類も完備されている。

チェックインの際に出していただいた冷たいレモネードがたまらなく美味しい。それを頂きながら、スタッフの方から近くのスーパー銭湯の場所や、夕飯のオススメを教えてもらった。

自転車をゲストハウスに預け、まずはスーパー銭湯「喜助の湯」へ。

スーパーサイクリストウェルカム銭湯「喜助の湯」

ここは、入り口からしてサイクリストウェルカムな構えとなっており、ロードバイク専用の駐輪ロッカーまで備える。まさにここまでやるか今治、って感じだ。ゆっくりとお風呂を堪能した後は、いよいよ今治名物を食べに…。

今治ソウルフード「焼豚玉子飯」

少々歩くことになったが、シクロの家スタッフさんのオススメ、重松飯店の「焼豚玉子飯」!スタッフさんの話だけでどうしても食べたくなり、迷うことなくこの店へ。幸い席もまだあったので、すぐに食べることができた。濃厚な甘辛いタレと卵の黄身が絶妙に絡み合い、ガッツリと胃袋を満たしてくれた。しかも安い!(並:650円)

真夏のイルミネーション。オッサンが一人で行く場所ではないな…

風呂と飯で疲れもすっかり回復。腹ごなしにしばし今治市内を散歩して、チューハイをコンビニで買ってゲストハウスへ戻った。

入り口を入ってすぐのフロアと、その奥側の部屋がコミュニティースペースとなっている。奥側の部屋には4人掛けの掘りごたつテーブルが設置してあり、周囲には冷蔵庫や漫画などがたくさん並んだ本棚があった。

汚れた服を洗濯している間、コミュニティースペースへ入ってみた。せっかくゲストハウスに泊ったのだから、旅人同士の交流がほしいところ。

テーブルには日本人らしき男性と、ブロンドヘアの女性がはす向かいに座っている。二人とも特に会話しているふうでもなく、それぞれの時間を過ごしているようだ。

二人が静かな時間を過ごしている中へ、チューハイ持って行って「プシュッ!」とやるのはどうかとも思ったが、思い切って入っていった。

「ここ、いいですか?」と私。おもむろにチューハイを取り出し、「プシュッ!」と缶を開けて飲み始めた。特に二人とも気にしていない様子…。しばしスマホを眺めて過ごす…。

と、どうしても目の前の人に話しかけたくなる。こういう時は日本人よりも海外の人のほうが何故か声を掛けやすいように思うのだ。

なんて声を掛けたか忘れてしまったが、お互いの紹介をする中で、その方はハンガリー人の両親を持つオーストラリア出身の女性サイクリストということを知った。その後互いの故郷の文化や食べ物のことや四国のサイクリングのことで話が弾み、消灯間際まで色々と情報交換で盛り上がった。滋賀のことを知らなかった彼女に、ビワイチのことをしっかりとPR。びーもサイクル協議会のカードも渡して、「琵琶湖に来た際には案内するから」と伝えてその日は就寝。

いい歳こいて若者気分でのゲストハウス初体験の夜は、この旅をさらに思い出深いものにしてくれた。さあ、いよいよ明日は四国一周ラストDAY。大人の夏休みもあと1日…。

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