近江の酒蔵に行ってきた~シリーズ開始!
旧街道に続くシリーズ企画物の2つ目は酒蔵訪問の記事。
シリーズタイトルを「近江の酒蔵に行ってきた~」として、滋賀県内各地に三十数蔵あるという酒蔵を自転車で巡る企画です。
で、記念すべき第一回目は水口「美冨久酒造」から始めたいと思います。
ちなみに栄えある第一回目にも関わらず自転車ではありませぬ…(^^;)
今回は嫁と娘を連れて行く約束だったので、車での訪問ですが…なにか?( ̄∇ ̄)
っていきなり趣旨が変わっておりますがユルーいブログですので大目にみてくださいね。
今回この蔵を訪れたのは年に何回か開催されている蔵祭りがあったからなのですが、
この3月24日~25日は、
美冨久酒造100周年記念イベント
美冨久「春の拡大版蔵祭り」
が開催されていたからなんです!
美冨久酒造
美冨久酒造は滋賀県甲賀市水口にある酒蔵。旧東海道を挟む形で蔵があります。
最近人気の銘柄は「三連星」!
ガンダム世代の方ならピピッと来ていると思いますが、そうあの「黒い三連星」を連想させる紫と黒のラベルのお酒が
全国区に押し上げる人気銘柄となっています。
もちろんガンダムの三連星は十分意識したものではあるようですが、そのネーミングに込められた意味は親子3代で美冨久を
作っていくという意気込み。
私はすでにこの蔵祭りは3度目というほどの「美冨久ファン」ですが、いまだに「三連星」は飲んだことがない・・・
(真の美冨久ファンの方には怒られますよね・・・)
でも、三連星以外のお酒も美味しく、かつ旧東海道沿いの蔵ということで何度もこの蔵に来てはお酒を買っております。
酒粕の詰め放題!
今回は嫁さんをこの蔵祭りに初めてお誘いしました。
これまで日本酒はどちらかと言えば好きではなかったのですが、滋賀の蔵の生酒は好きになってくれたので、
酒蔵の見学なども興味をもってくれるだろうと誘ってみた次第です。
あわよくば、気に入ったお酒をお土産に買ってくれれば、私の小遣いから捻出しなくてよい!?とか・・・
で、蔵祭りに行きました。
まずは受付に案内のハガキを持っていきますと、「酒粕飴」と抽選券をいただきました。
しかし今日の目的は嫁に酒蔵の見学をしてもらい地酒への理解を深めてもらうこと!
そのまま受付の横で「酒蔵見学」の参加申し込みをします。
ちょっと時間があるので、その前に「酒粕詰め放題」の会場へ。
1回500円で、吟醸酒の絞り粕を山ほど詰めるイベント。
これ、ほんとに詰め放題なんです!
遠慮したり加減してはダメ! この小さなカップに入る量ではありません。
カップの上限を大きくはみ出して、どれだけ高く積み上げられるかという競技と考えないといけないものなのです。
嫁も戸惑いまくっていますが、その後ろで「もっと積み上げろーっ」って応援する私・・・。
ちょい周りの気迫に負け気味ですが、それなりに高く積みあがっております。
今回の酒粕はかなりシッカリ絞れているとのことで若干固いものでした。そのためいつもよりも詰められてないとの主催者側の配慮もあり、
袋に直接入れられる、おまけの10秒間の詰め放題タイム。
結果的に、
3㎏ほどの吟醸酒の酒粕をゲットできました。
がfunazushi家が遠慮しすぎだったのでしょうか? 他の方は6㎏くらいゲットされている方もいます。
酒粕は買うと結構高いので500円で吟醸酒粕が6㎏って大変お得ですね!
酒蔵の内部に潜入!
funazushi-maruはこの蔵に入るのはすでに2回目。嫁は酒蔵に入るのは初めてになります。
見学ツアーの時間間近になったので、蔵の入り口に集合。
蔵の中には土足禁止。靴を履き替えてスリッパに。
手は入り口に置いてある消毒液で念入りに消毒。お酒は微生物の賜物なので衛生面には気を使いますよね。
見学の順番とは違いますが、お酒の造りの順番で紹介します!
お米を洗米し、蒸したものでまずは麹米を作ります。ここは「麹室」という場所。
ここに蒸した米を広げ、麹菌を培養するんです。
ここでの麹の出来でお酒の質が大きく変わる大事な工程なんですね。
これは「酒母タンク」といいます。
お酒を大量に作る前にお酒の酛(もと)を作ります。酛=酒母なのですが、蒸米と麹、それに水を入れて乳酸菌を増やします。
アルコールを作るには「酵母」が糖を分解するという働きが必要です。酵母によって糖がアルコールと二酸化炭素に分解するのです。
濁り酒の発泡はこのアルコール分解の際に発生する二酸化炭素なんです。
このアルコールの生成に大事な酵母ですが、雑菌に弱いんです。
そのため雑菌の少ない環境を作ってやらないと酵母を増やすことができません。
そのため乳酸菌が必要になります。
乳酸菌は雑菌を駆逐してくれますので、乳酸菌が増えることで雑菌を減らすことができ、これによって酵母が増える環境が整います。
(この乳酸菌をアンプルで添加するのが「速醸系酒母」、空気中の乳酸菌を取り込む手法が「生酛系酒母」と言います。
生酛は元々「山卸し」という米をすり潰す作業が必要でしたが、精米技術の上がった明治以降はこの作業が不要になりました。
山卸しを廃止したので「山廃」と言われます)
つまり、
1:麹菌が米のでんぷんをアミラーゼ酵素の作用により糖にする。
2:乳酸菌が酵母の増殖をサポート。
3:酵母は糖を分解してアルコールを発生させる。
ということがこの酒母タンクの中で行われているのです。ここで上手く発酵しないと美味しいお酒はできません。
(このアルコール発酵プロセスを「並行複発酵」といいます。)
そのため緻密な温度管理が重要になるのです。見学の説明をしていただいた蔵人の方は、最初は温度は低めからだんだん温度をあげていくと言っておられました。温度を上げると発酵が進むのですが、一気に上げすぎると発酵しすぎるなど、アクセルとブレーキの加減が難しいそうです。
この写真に写っている酒母タンクのまえにある銀色の牛乳タンクみたいなのは「暖気(だき)樽」といって、中に熱湯をいれて
酒母タンクの中をかき回しながら温度を上げたりするものです。
この酒母に3段階で蒸米と麹と水を加えます。そうして徐々に酒母で作られた酵母を増やしていきながら総量を増やします。
この写真のように大きなタンクに沢山のの醪が入ります。
蒸し米と麹と水を3回に分けて追加投入する仕込み方を「三段仕込み」といって、現在の日本酒造りの主流となっています。
これは普通酒のタンクですが、タンクの下に照明を入れてホンノリと温めているそうです。
こちらは吟醸酒系のタンク。逆に冷水をタンク周りに流して冷やしています。
こうやって発酵速度を調整することでそれぞれにあった味をだそうとされているのですね。
ほんと日本酒って奥が深いですね。
蔵祭りの会場
今回は生憎の雨でしたが、総勢5000人を超えるお客さんが詰めかけたそうです。
外には枡酒やフナズシ、いろいろなおつまみも販売されています。
甲賀市のゆるキャラ、「にんじゃえもん」も登場!
大人気ですね。
ガラポン抽選会は受付でもらった抽選券以外にも、蔵で2000円以上購入すると抽選券1枚もらうことができます。
私はお皿とうまか棒でした・・・。
酒ガチャガチャ(1回300円)にも挑戦! またまた酒粕飴があたりました!
でも酒粕飴はほんとに美味しい。家に帰るまでに殆ど無くなってしまいました・・・。
お土産
作戦通り!?にお土産をゲット!
1つめは酒蔵見学者限定のお酒「蔵祭り見学者限定酒 槽場直汲みたれくち」
アルコール度数20度のタンクから直詰めの濃厚生原酒です。
お酒はアル添(醸造アルコール添加=純米ではない)タイプ。
蔵見学の出口で試飲させてもらい嫁が気に入りました。(ゆで卵付きでした。私は運転手のため飲めず・・・)
かなり濃厚なトロットロの味です。でもタンク直汲みらしくやや薄濁りでフレッシュさ満点です。
2つめは「蔵祭り記念酒 純米吟醸限定瓶詰」。
こちらは火入れ・加水タイプの純米吟醸酒です。
ラベルも100周年仕様!
酸味が抑えめのドッシリした味わいのお酒でした。(こちらは私の小遣いから捻出・・・)
天気はイマイチにも関わらず、今まで以上の人出でした。周りには何もない水口の一角にスゴイ人だかりを作っていた
美冨久酒造。サスガです!
こちらの蔵は普段でも直営の店があるのでいつでも試飲をしながらお酒を購入することができますよ。
さて大量の酒粕、これから何に使おうか・・・、魚の粕漬け、奈良漬けなど大量に酒粕がないと作れないものに
チャレンジしてみたいな。
美冨久酒造のHPと場所
美冨久酒造のHPはこちら
美冨久所蔵の場所
美富久さんのイベント参加されていたのですね・・・羨ましいっ!
当然行きたかったのですがあいにく休みが取れず断念していた次第です…orz
三連星は味はもちろんですが、ガンダム世代どストライクな者としては
あてと共に三連星を一口、「俺を踏み台にしたぁ?!」と脳内の深層から強制変換され
妙なテンションMAXになること必至です!んっ、これがプラシーボ効果と言う奴か(笑)
しかし、酒粕詰め放題凄いっすね(汗)6kgの酒粕とかもはや、山ですやん!激坂ですやん!
酒蔵見学も楽しそうで、勉強になること間違い無しですね!
車での訪問は・・・家族サービス込みなのでアリ!(笑)
やはりカーズさん、どストライク世代でしたか!(^^)
いくつか3月から4月にかけて酒蔵イベントが目白押しなんですが、100周年と言うことでこちらのイベントを狙ってました。
酒粕はまさに山ですよ。(^^;)
最初にゲットしたためにずっと重たい酒粕の袋を持ち運ぶはめに…指がちぎれそうでした(^^;)
三連星はたまに番外編なども流通するので見つけたらゲットしてみてくださいね。
番外編のラベルは通常の三連星よりもさらにガンダムチックですよ。