「街道旅」の新たな相棒【スタンプジャンパーとの出会い編】

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あるオールドMTBとの出会い

私は草津市で行われる自転車イベントの実行委員に昨年からなっていて、そこで市内のとある老舗スポーツサイクルショップのFさんに出会った。とっても気さくな人間味のある方で、醸し出す佇まいはまさに自由人。自転車と一緒の姿がとても絵になる人だ。

この秋に開催したびーもサイクル主催の「モリイチ・スタンプラリー」にも参加してくださった。そんなこともあり、お礼がてらそのショップに顔を出してみることに…。

店の窓越しに店内をのぞき込み、Fさんと目が合ったところで軽く会釈。

12月とは思えないほど暖かい日が続いていたのに、その日はすっかり冬らしい寒さに。店の中の石油ストーブに時たま手を当てながら作業をしていらっしゃるFさんが、中へ入れと手招きしてくださる。

「こんちわ、この前はどうもありがとうございました!」とお礼を告げると、

「サイクルフェスタのサイクリングコースは決まったんか?」と聞かれたので、おおよそ決まったコースについて説明。

「そりゃ、なかなか渋いコースやな・・・ワシの家はその辺やわ、はははっ!ええコースや」とFさん。

自転車歴何十年という方にそう言っていただけると、何故か変な自信を感じてしまう。

そこで私が、「僕みたいな、普段はのんびりサイクリングとかやりながらも、たまにはキャンプツーリングに行けるようなマウンテンバイクって、Fさんとこあります?」と聞いてみる。

ただ聞いては見たものの、狭い店内を見渡してもコルナゴの高級フレームは沢山ぶら下がっているものの、MTBの類はあまり置いてない感じ。

「ワシんとこは、コメンサルくらいしかやってないわ…」

コ、コメンサル? 何それ…聞いたことないんですけど。表に置いてあった何となくスペシャライズドのロゴに似たMTB…あぁ、あれのことか。


コメンサル EL CAMINOGL 650B の中古

後で調べたらフランス南端にある「アンドラ公国」って国のメーカーなんだそう。わお、なんとマニアック… でもさすがFさんのお店。私には想像つかないような物が出てくる気配がスゴイ!

と思っていると、Fさん、ふと思いついたかのようにこう仰った。

「その隣のスペシャライズドのMTB、中古やけど、どう?」

んっ? まさか売り物とも思っていなかったので、コメンサルの隣にあっても見向きもしなかった古いMTB…、それを指さした。

それまで最新のMTB、ディスクブレーキにフロントサスをイメージしていた私の頭に中に、突如、真反対からドロップキックされたかのような衝撃…

「ワシが普段散歩に使っているヤツや。その辺少し乗ってみたら?」

お言葉に甘えて乗ってみた。お店の外から住宅街へ伸びる坂道、公園の草原、空き地、歩道の段差、「たっ、楽しい…」

フルリジッド(前後共にサスペンションではないタイプ)なのに思ったほど硬さを感じない。タイヤのエアーボリュームだけで随分いろんなところを走れるもんだ。26インチのホイールや少し小さめのフレームも取り回しがしやすい。これなら嫁でも乗れるし。

「Fさん、これオモロイな! いくらなん?」

「28000円でええわ。」

果たして28000円という値段が妥当なのかどうかはわからない。見る人が見たら、お金払ってまで手に入れたいなんて思わないような代物かも…。しかしMTBに全く詳しくない初心者の私には、この車体の素性や価値なんて知りもしない。でも欲しいと思えた。一旦家に帰って冷静になって考えようとしても、一度見たイメージが頭から離れない。

数時間後、私は再びその店の前に立っているのだった。

そうして、その古びたMTB「Stump Jumper comp 」が私の元に来てくれたのだ。

1997年製 スペシャライズド 
Stump Jumper comp

スペシャライズド Stump Jumper comp

買ってしまってから調べてどうするんだという気もするのだが、スタンプ・ジャンパーを眺めていて、そのパーツなどの一つ一つが気になり、素性を知りたくななった。で、Facebookで見つけた「日本オールドMTB協会」というコミュニティーに写真をアップしたところ、1997年製ということが判明。

スタンプ・ジャンパーは1981年にスペシャライズドが世界で初めて量産化したMTBだ。その当時のフレームはクロモリ製で日本で製作されていたらしい(東洋フレームとかアラヤあたりなんだとか)。今でこそ米国バイクメーカーの自転車は、軒並み台湾での製造となっているが、その当時は日本で作られていたものも多かったよう。

フレームの至る所に「M2  Metal-Matrix Composites 」の文字。現在高級なバイクのフレームはカーボンが主流ではあるが、クロモリが主流だったところに現れたのがアルミフレーム。軽量で剛性の高いその性質は、スポーツバイクのシーンを大きく変えた。「M2」とはそんな時代にスペシャライズドが送り出したアルミ合金素材だ。当時は今のカーボンのようにかなり高級だったそう。そんな素材への誇りが、フレームのロゴに現れているのだろう。

ちなみにシートチューブには「HAND MADE IN UNITED STATES」の文字。

シフトレバーやブレーキレバーはShimanoのDEORE XT。

バーハンドルはリッチーのForce Liteという軽量なアルミ製のものが付いていた。ただ長さが50㎝なので、街乗りはいいのだがトレイルにはもう少し眺めが良いかな…。ここは後で交換。

時代を感じるパーツ類。フロント3枚のクランクセットはスペシャライズドのSマークがついているが、日本のスギノエンジニアリングのCSS3という製品のようだ。歯数の刻印が見当たらない、ネットで調べると42-32-20Tみたいだ。

さすが自転車屋さんの散歩バイクだっただけに、DEORE XTのリアディレイラーは20年経った今でもカチカチっとシフトチェンジしてくれる。

フロントホイールは完成車でアッセンブルされていたもののようだが、リムはMAVIC、ハブはスペシャライズドの純正パーツのようだ。スペシャライズドのロゴが刻印されたハブの機械感のある佇まいが気に入った。

リアホイールはFさんの手組だそうで、アラヤのリムにShimano DEORE LXのハブで組まれている。

サドルはスペシャライズドのマウンテンバイク用サドルが付いているが、先端が破れていたのでこれも交換候補だ。シートポストはリッチー。

古いが、一つ一つのパーツは整備も行き届いており味わい深いものばかり。ややフレームが小さいのが気になるが、ハンドルの位置を工夫してポジションだししてみたいと思う。

初めてのトレイルライド!

野洲市から東海道へ通じる旧街道、伊勢道へ…

さっそくMTB乗りのお友達にお誘いいただき、野洲市希望ヶ丘近辺のシングルトラックへスタンプ・ジャンパーを連れ出してみた。

やや湿った勾配のある道を登る

私、このスタンプ・ジャンパーで初めてMTBに乗ってオフロードを走った。サスペンションの無いフルリジットというのが不安ではあったが、タイヤのボリュームがあるので段差も気にならない。といってもタイヤは26インチの1.95なので、さしてファットなものではないが…。ダウンヒルのセクションでも10㎝程度の段差なら身体全体のクッションで降りていける。

平地に関してはサスの有無はあまり関係ないかもしれない。足つき性のよい小さなホイールやフレームも、目線が低くなり怖さを軽減してくれるのに役立つようだ。

約30㎞のトレイルを走ってみた。普段のロードよりも違う筋肉を使うので、体力の消耗が激しいが、自然との一体感はMTBの大きな魅力。長い距離を乗らなくても、短時間で非日常な空間に入り込めるMTBトレイルライド、これからたくさんスタンプ・ジャンパーに連れて行ってもらおうと思う。

もちろん、ロードで行けないような旧街道や山城にもコイツでチャレンジしてみようっと。

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