朝鮮人街道を望む城
今年の3月は旧朝鮮人街道を野洲~彦根まで走破しました。
その時のブログがこちら!
さすが滋賀県、1300個の城跡があるだけあって朝鮮人街道の街道沿いにもいくつかの城跡があります。
有名なところでは、「八幡山城」や「安土城」、「観音寺城」といった城。あっ「彦根城」もそうだった!そういや「佐和山城」までも・・・と近江の有名どころの城跡をほぼコンプリートできる街道なんですね。
他にも細かいところまで入れるときりがないのですが、以前に本などで調べてマイマップにマーキングしていた城があります。
それが「山崎山城」です。
先日の街道サイクリングの時にはまったく気が付かなかったのです。あとで街道のマップを眺めていて気付きました・・・。
朝鮮人街道は能登川から県道2号線を彦根方面に進んでいきますが、荒神山の麓の小山(水道タンクが山頂に2つ並んでいるのが見える山)に来ると、その山の周囲をくるっと回る形で迂回して進みます。
この時くるっと迂回している小山の上に実は「山崎山城」はあります。
今回たまたま彦根に行く用事があったので、帰りにロードバイクで「山崎山城」を目指しました。
山崎山城とは?
山崎山城は元は六角氏に被官していた山崎氏の居城と言われています。ただ山崎氏は織田信長の近江侵攻の折には織田方に属していました。
中世の山城、特に小規模な城にはいわゆる石垣などは少なく単なる土塁の構造のものが多いのですが、この城には立派な石垣が存在していたことが後の発掘調査で発見されています。
また今回ロードバイクで走ってきた朝鮮人街道、これは織田信長が安土城築城の際に城から遠い「中山道」から人の流れを城下に引き込むために整備した街道で、当時は中山道の「上街道」に対して「下街道」と呼んでいました。
この下街道が山崎山城をコの字型に迂回している状況は明らかに人為的で、街道の障壁とする狙いを持ってこの山崎山城が築城されていることがわかります。
またこの山崎山城からは南には安土城、北東に佐和山城を望むことができます。このような状況から山崎山城は信長の意図をもって戦略的にこの場所に造られた信長の城だと考える方もいます。
小規模な城には不釣り合いにも見える立派な石垣は信長の力があったのですね。
「信長公記」にも「山崎にお茶屋立置き、山崎源太左衛門一献進上候なり。」とあるように、信長は佐和山や安土城を行き来する際の
休憩場所としても利用したとのこと。
まさかこんな水道タンクのある何の変哲もない小山にそんな歴史があるなんて思ってもみませんでした・・・。
どこから登る?
グーグルマップを見ると小道があるのがわかりましたので、ひとまずそこまで行くことに。
下街道をコの字に山の麓を過ぎていくとタンク山の方へ分かれる道があり、その先に山へ登る綺麗な舗装路がありました。
柵を越えてそんなにキツくない坂道をしばしヒルクライム。
上まで行くとグラウンドがありました。
さらに坂道が続いていますが、さっきよりもややキツメです。
で、汗をかきかき結局たどり着いたのは・・・・、
タンク山の頂上の水道タンク。どうもこっちの道ではなかったようです。(*_*;
気を取り直し…
再び降りて登り口を探すと、ぐるっとタンク山をまわった先にひっそりとありました。
旧街道にこだわらなければ、県道2号線から宇曽川沿いに進んでいく方が近かったです。
(オイオイ、ちゃんと下調べしてから行けよっ!)
山崎山城の本丸を目指せ
階段はしっかり整備されており登りやすいですね。
山頂までは普通に歩いて10分くらいでしょうか。
あっという間に山頂が見えてきました。
さてさて、山崎山城の廓跡やいかに!?
はい、これが今の山崎山城です。
こんな小山の上にあるにも関わらず、しっかりと整備された公園になってます。
って、城跡らしい雰囲気はまるでありません。(^^;)
他の純粋なお城巡マニアの方のサイトではかなり酷評されているところを見ると、残念な城跡なのかもしれません。
私は蜘蛛の巣をかき分けたどり着くよりは歩きやすくて良かったですが…
ここにも案内がありました。
こちらが櫓があったであろう所の盛り土。
石垣などは見当たらないですね。
足元に恐らく石垣などに使われていたと思われる石が土から顔を出してました。
発掘時の写真を本でみましたが、もっと石垣らしい跡だったのですが…
当時は高さ2mほどの石垣が下街道を北上してくる者に見える形で配置されていたそうです。
今は見る影もありません。
櫓跡から見るとこんな感じ…
信長もこの景色を見たのかな・・・、なんて思いを馳せることはできますよ(^^)
遠く彦根の中心街まで見渡すことができるので、城跡公園としてはいいんじゃないでしょうか?(景色を見ながらお弁当なんか食べたくなりますね)
今回の山崎山城ですが、私funazushi-maruが高校時代には何回も近くを通っていて馴染みのある小山でした。
そんな昔は気にも留めなかった小山にいろんな歴史があるのだなと、改めて感慨深い思いです。
地元の“秘密発見” まさにそんな瞬間でした!
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